死神の赤子

きっとそれは信頼 ページ23

「って事は…もうだいぶ引き返しにくいとこまで来てるのか」

「ええ。それにしても…本当に訳が分からないわね」



組織の連中の目的が、一向に読めない
俺達の存在を事前に予測しての行動なら、もう少し俺たちの方が不利になってもおかしくはない筈

…なんて、坊やは頭の中で色んな可能性を考えているんだろう
正直、ここまで俺達が彼女に翻弄されてしまうとは思わなかったし、考えもしなかった


「(何故なら、僕達はまず根本的な所から全ての考え方が狂っているから)」


かと言って、俺は坊や達に彼女が犯人である事は言うつもりはない
それこそ、俺は誰の味方なのかすらわからなくなってしまうから


と言うが、実際第四陣営といった所だろう
彼女の犯行の少々の手助けと、彼と彼女の話し合いの為に動いたに過ぎない

しかし、まさか彼女がここまで利口とは思っていなかった。油断していたのだ


「(今の所、彼女が一歩有利か…)」


今まで色々零くんには言ってきたが…まさか、その言葉が自分に帰ってくる日が来るとはな
致し方あるまい



舞台は地下に埋め込まれた水族館
狙撃(スナイプ)するには不利な地形だが…


「(逃げにくい地形なら、それはそれで好都合であるとも言える)」


さぁ、沖矢昴はそろそろ帰って貰うとしよう
そろそろ、第三段階だろう？



「そろそろ、大人を遊んで舐めるのも加減して貰うとしよう」


俺は取り敢えずこの場を坊やと少女に任せて席を外した。きっと坊や達なら、
きっと坊やなら、この事件を解けるだろう

死神の赤子事件を

少しずつ進む→←仕立て上げ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す