【戦国BASARA】戦国武将が戦国武将の元にトリップしてきた件について (ページ3)

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第一噺：終わりの先に始まったものページ3

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腹が、灼ける。

じくじくと傷むその元凶に触れてみる

細い視界にうつる私の手には、べたりと赤い液体が滴り落ちている

生きて、いる。かろうじて。虫の息ではあるのだが。

腹の傷を押さえながら、辺りを見回して、絶句する

『……どこ、だ……ここ、は……日ノ本、では、ない』

緑が、ない

森が、林が、川が

大きな建物に邪魔されて、全く、ない

それに、空気が悪い

これならば血なまぐさく、火薬くさい戦場の方がましだ

なんと、息苦しい

頭上から響く轟音に、目を見開く

本多殿、ではない物が、空を飛んでいる

ここは、地獄か。

それにしては、鬼も見当たらなければ三途もない

なにより生きたまま地獄とは……

『生き地獄を、味わえ……そういう、天からの思し召しで、あろうか』

敗北、した

初めて、遅れをとった

私の剣で、負けた

『生き恥を、晒したくは、ないが、死に場は……選びたいものだ』

帝め、わざと浅く……

じわり、と動くたびに広がるその赤に、まぁ、死ぬことはないだろうと立ち上がる

私はどこかの建物の上にいる、らしい

とにもかくにも、ここは日ノ本ではないだろう

情報がいる。

日ノ本へ帰り……そう、だな。日ノ本のお山の中で、静かに息絶えたい。

それまでこの傷は残さねば

死なない程度に腹を押さえ、持っていた帯でぎゅう、と縛り、耐える。

この高さならば死なない。とその建物から慎重に飛び、腹に負担がかからぬよう着地する

が、地面が土ではない

硬い、石だ

『うっ！！がぁああああああッ！！！……はぁっ、はぁ……ッ、』

死なぬ

私は日ノ本の武将

日ノ本以外では、死なぬ

ゆっくりと起き上がり、息も絶え絶えで、歩く

まだ昼だというのに、大きな建物に囲まれたこの道は、なんと暗く、寂しいものか……

光が見える方向へと歩く

鎧は、ないが、刀がある

痛みはあれど、動けぬ訳でもない

ゆっくりと、眩い光へと足を踏み入れる

私は、まだ知らなかったのだ

神が、何故私を生かしているのか

神が、何故私をいまさら、こんな所に呼んだのか

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ちょっと出会いまでが長いです