陰キャな彼氏 (ページ5)

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無事時間になって図書室を閉める。

『ねぇ光成くん、良かったら一緒に帰らない？

もうみんな帰ってるし部活の人達はまだ終わらないし人はいないと思う…』

光成「いいですよ。」

『良かった！

じゃあ、鍵返してくるし教室荷物取りに行くでしょ？

光成くんの教室で待ってて。』

光成「わかりました！待ってますね。」

すると先輩は鍵を持っていそいで階段を降りて職員室へ向かって行った。

今は6時くらい、部活の生徒はまだグラウンドにいるけど校舎はほとんど人がおらず静かだ。

教室へ戻っても誰もおらず、自分の荷物だけが机の上に乗っていた。

筆箱とかその辺をカバンに詰めて椅子に座った。

それからすぐ、少し息を切らした先輩が教室のドアを開けた。

『光成くんかーえろ！』

光成「先輩走ってきたんですか？」

『うん！

でも急ぎすぎてちょっと疲れちゃった』

そう言いながら笑う先輩はめちゃくちゃ可愛い。

光成「そんな焦らなくても大丈夫ですよ？

じゃあ帰りましょっか。」

『うん！かえろー！』

ちょっとテンションの高い先輩と横に並んで歩く。

誰かに見られたら異様な光景に思われそうだ。

『光成くんはさ、なんでメガネとマスクつけてるの？』

光成「うーんなんででしょ。

目立ちたくないから？安心するんです。」

『せっかく綺麗な顔なのにもったいないよ〜！

あ！でも、光成くんはそのままでいいよ。』

そのままでいい、なんて言う先輩は陰キャが好きなんだろうか。

先輩は少し変わった趣味の人なのかもしれない。

光成「先輩って変わった趣味なんですね。」

思わずちょっと笑ってしまってそう言うと、

『ひどーい！

変わった趣味とかそんなんじゃないよ。

ただ、なんか光成くんちゃんと顔見えたらモテそうだから…』

光成「先輩みたいにモテませんよ」

『光成くんがモテたら困るよ！』

光成「なんで先輩がもてたら困るんですか？」

『だって可愛い子が光成くんのこと奪っちゃうかもしれないもん』

そういう先輩より可愛い人なんて多分この世にそう居ないのにな。

先輩は『あ〜なんか恥ずかしい』と言ってちょっと照れていた。