陰キャな彼氏 (ページ3)

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付き合った、と言っても学校で会うことはなかった。

あの時交換したメッセージでの会話のみ。

先輩はずっと友達といるし、俺はその中に入ってく勇気なんてなかった。

付き合ってることも目立ちたくなかった俺は黙ってて欲しいと先輩に頼んで先輩はそれを了承してくれた。

知ってるのは先輩の友達の梨花先輩だけ。

と言ってもその先輩が誰かも分からないんだけど。

自分から黙っておいてと言ったくせに先輩の周りにいる男友達が羨ましく思えたりもした。

先生「檜山、図書委員って書いてたよね？

檜山以外選んでなかったから檜山になったから放課後図書室にって、」

そういえば委員会、図書委員って書いて出したっけ。

よく良く考えればめんどくさい。

．

放課後。

図書室に入ると生徒がちらほら座ってた。

“1-2”と書いた紙の置かれてるところの前に座った。

他の生徒達を眺めてると先輩とよく一緒にいる男の先輩がいた。

確かクラスの女子達がかっこいいって言ってた気がする。

ｶﾞﾗｶﾞﾗと扉を開ける音がして音の方を見ると先輩がいた。

そういえば先輩って図書委員長だったっけ。

無意識にじっと見ていると、俺に気づいたのか一瞬驚いた顔をしてニコッと笑った。

やっぱり先輩はかわいい。

でもすぐに、

『湧〜湧も図書委員なの？』

と、さっきの男の先輩の方へ行ってしまった。

それでも、一瞬でも先輩に特別扱いされたような気がして嬉しかった。

『時間になったので図書委員の顔合わせと仕事の分担決めて行きまーす！』

先輩が仕切っての会議が始まった。

会議では、放課後の図書室のカウンター業務の当番が週一あるのと、月1回こうやって集まるということを伝えられた。

『じゃあ、私が当番は適当に決めちゃうね、』

そう言って先輩はホワイトボードに月曜日は誰と誰とか書いていく。

さりげなく先輩は俺と同じ日になってた。