陰キャな彼氏 (ページ2)

今日:2 hit、昨日:2 hit、合計:12,748 hit

-2- ページ2

無事午前中の授業が終わってお昼休み。

いつも通り人のいない屋上に続く階段へ向かう。

当然の事ながら屋上は開いてない。

でも、屋上の扉の前に使われていない椅子がいくつか置いてある。

そこに座ってパンを開けた。

ここは誰も来ない特等席…のはずだった。

階段を上ってくる音がする。

やばい、ヤンキーとかだったらどうしよう。

そう焦ってると、足音の主の姿が目に入った。

『あの…ここで一緒にたべてもいい？』

その人は今朝クラスメイト達が話していた望月A先輩だった。

先輩みたいな陽キャがなんでこんなとこに1人で？

そんな疑問もあるけど、断るのも怖い、かといって一緒に食べてもどうしたらいいか分からない。

光成「どうぞ…」

そう言って椅子を差し出した。

『ありがと、1年生？』

先輩は持ってた弁当を開きながらそう聞いてきた。

光成「そうです。」

『名前は？

あ、私は望月Aね！』

光成「檜山光成です。」

『光成くんねー！』

まさか、高校に入学してちゃんと話す1人目が望月A先輩になるとは思わなかった。

『光成くん、あのね好きかも、』

光成「え？」

『私、入学式の時からずっと見てた。

ずっと気になってて、いっつも昼休みになったら1年の教室探してたんだけど全然見つかんなくて。

でも今日やっと見つけたから追いかけてきちゃった…』

そう言って俯いて顔を赤くしてる先輩は、いつも笑顔で友達と楽しそうに話してる先輩とは別人みたいだった。

光成「俺、友達もいない陰キャですよ。

それでもいいんですか？」

『そんなの関係ないよ！』

光成「じゃあ、よろしくお願いします…？」

『ほんとに！？やった！』

そう言って喜んで俺に抱き着いてきた先輩。

女性経験なんてゼロの俺には刺激が強すぎる。

そして何故か学校のマドンナ的存在の彼女ができた。