祝福を ページ33
no side
柔らかい朝陽差し込む部屋の中。
｢治……起きて、朝だよ｣
まだあどけなさの残る顔で隣に眠る青年を揺り起こす。
｢A……まだ、あと5分……｣
治と呼ばれた青年はAの腕を引き寄せた。
｢そう言って1度もちゃんと起きたことないでしょ｣
Aは暫く考え込んでいたが、悪戯っぽい笑みを浮かべた。
｢あーあ、今日は時間があるからデートしたいなぁと思ってたのに。治が起きてくれないんなら仕方ないね｣
態とらしくため息をつく彼女。
｢おはよう｣
治は飛び起きた。
隣に座るAを抱き寄せ、その頬に優しくキスをする。
｢何処に行きたいんだい？｣
｢そうだねぇ……久しぶりに、遊園地にでも行かない？｣
｢勿論……でも1つだけ｣
Aが首を傾げる。
｢おはようのキス｣
にこにこと微笑む治。
成程ね、と呟き、唇を重ねるA。
｢おはよう、治｣
満足そうな顔の治。
｢ねぇ！来週は何処に行きたい？｣
｢未だ遊園地にも行ってないのにもう来週のことかい？｣
｢良いでしょ、予定は沢山ある方が楽しいもの｣
｢Aもついに理想主義になったのかい？｣
｢違うけど、そのほうが楽しいじゃない｣
｢そうだね、何処だっていいさ。Aと過ごす休日なんて幾らでもあるのだからね｣
治は慌ただしく準備を進めるAに目をやる。
お互いが、お互いという幸せを噛み締めていた。
もう何にも代えられない。
そんな存在となった互いのことを何よりも愛している。
誰が何を言おうが、何が2人を裂こうが、きっとこの関係は壊れないだろう。
穏やかな朝を迎える2人の笑顔を知っているのは、ヨコハマの街を照らす太陽だけ。
明るい陽射しが2人を祝福するように輝いていた。
Aはこんな日々が続きますようにと心で祈る。
治も又、この笑顔を守り抜くと心に誓った。
孤独な闇に染まった過去を持つ青年と、その闇さえも愛した彼女に祝福を。
2人にいつまでも、幸せと云う暖かな光が差し込みますように。
fin。
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革ベルト
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風寧 - ゆうさん» ありがとうございます！最後の方の文章は結構悩みましたが、いい感じに終われてよかったです笑 (2018年2月1日 19時) (
レス) id: 5d22090800 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - 完結おめでとうございます！最後の孤独な闇に染まった過去を持つ青年と、その闇さえも愛した彼女に祝福を。で泣きました(´；ω；`) (2018年2月1日 19時) (レス) id: d52eddc329 (このIDを非表示/違反報告)
風寧 - ルイヤさん» ありがとうございます！ (2018年2月1日 18時) (レス) id: 5d22090800 (このIDを非表示/違反報告)
ルイヤ - 最高でした (2018年2月1日 16時) (レス) id: 466af4a3ee (このIDを非表示/違反報告)
風寧 - かおりさん» ありがとうございます！両方！？嬉しいです！他も頑張ります！ (2018年1月24日 14時) (レス) id: 5d22090800 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：風寧 | 作成日時：2018年1月2日 23時
