砂色の外套 ページ27
Aside
太宰さんに連れられて、色んなところを日々巡った。
公園、遊園地、水族館、小さな丘……
そして、路地裏。
何故此処に?
というか、此処は何だっけ?
ぼんやりと頭に浮かぶ情景。
1年前のことだ。
周りに見える、黒、黒、黒。
私に向けられた銃口。
向こうに見える、砂色。
あれは何?
誰だっけ?
「どうかしたのかい?」
太宰さんの声で、現実に引き戻される。
「そんなに心配しなくても、何も来たりしないよ」
「マフィアとか居そうです」
マフィア、そう、マフィアだ。
あの黒はマフィアか。
「マフィアが来ても大丈夫さ。私が居る」
太宰さんが足を止めたその場所、1年前の砂色と重なった。
風が吹く。
太宰さんのトレードマークとも言える砂色の外套が揺れた。
私の脳内に、突如、雷光が瞬いた。
太宰さんが立ったあの場所は、
私が今立っているこの場所は、
丁度1年前に私とあの人が出会った場所と重なるのだ。
全てが繋がった。
私が目覚めた時に、彼が医務室に飛び込んできた理由も、彼がその時言った言葉の意味も。
ああ、私は彼の____
恋人だったんだ。
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風寧 - ゆうさん» ありがとうございます!最後の方の文章は結構悩みましたが、いい感じに終われてよかったです笑 (2018年2月1日 19時) (レス) id: 5d22090800 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - 完結おめでとうございます!最後の孤独な闇に染まった過去を持つ青年と、その闇さえも愛した彼女に祝福を。で泣きました(´;ω;`) (2018年2月1日 19時) (レス) id: d52eddc329 (このIDを非表示/違反報告)
風寧 - ルイヤさん» ありがとうございます! (2018年2月1日 18時) (レス) id: 5d22090800 (このIDを非表示/違反報告)
ルイヤ - 最高でした (2018年2月1日 16時) (レス) id: 466af4a3ee (このIDを非表示/違反報告)
風寧 - かおりさん» ありがとうございます!両方!?嬉しいです!他も頑張ります! (2018年1月24日 14時) (レス) id: 5d22090800 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:風寧 | 作成日時:2018年1月2日 23時