君が私を覚えていないのなら【太宰治】

幸せな日々ー過去ー ページ24

太宰side



その後の私は以前に比べるとまるで別人のようだと国木田君に言われた。



まず、遅刻が激減した。



だって、1秒でも長くAと一緒に居たいからね。



仕事にもいくらか真面目に取り組むようになった。



Aに言われたからね。



休みの日は必ずと言っていい程、Aとデートに出掛けた。



水族館、遊園地、動物園、デパート、公園、散歩みたいな小さなものまで、私達は同じように楽しんだ。



Aは大抵弁当を作ってきてくれた。



私の好きなもの、嫌いなものを全部把握しているんだろう。



私の好まないものが入っていたことはない。



そろそろ同棲したいな。



何時かは結婚も……と私は考えた。



彼女がどう思っていたかは知らないけどね。



そんな幸せな日々が続いていた。



そう、君が国木田君の背中で意識を失くしたまま帰ってくるあの日迄は＿＿＿＿。
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過去編終了です。

有難う→←お礼(作者より)

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