五回目 ページ7
＊
「今は家族達とここにいるんだ。」
「家族達.....」
傑に連れられるまま訪れたのは、人里離れた無機質な寺院のような所だった。ひんやりとした屋内は殺伐としていてなんだか落ち着かない。
長い廊下を突き進みやがてたどり着いたつきあたりの部屋。こじんまりとした和室に入ると後ろにいた傑はぴしゃりと戸を閉めた。
「A」
「んっ....」
切なげに呟いた傑は私にそっとキスをすると
頬を優しく撫でた。
「こんな所が見つかってしまったら君も共犯者だね。
......そばにいたいと言ってくれて私は嬉しい。」
「っ、......んっんん、」
共犯という言葉に顔を歪めるとそれをかき消すように
再び唇を啄まれた。徐々に深まる口付けに体の芯が熱くなり、私の腰を支えていた傑は流れるようにそのまま私を押し倒した。
「ぁ.....んっ.....」
傑の言う通り、傍からみれば今の私は共犯者だ。
激しくなる動きと共にじわじわと背徳感が襲う。
しかし今その背徳感は私をどうしょもない底無しの快楽へと溺れさせる。
ごめんなさい、ごめんなさい。
強い快楽に溺れる最中、頭を過ぎる高専の仲間に
心の中で何度も謝った。
その夜限りと思っていたその行為に
耽溺し、気づけば繰り返していた。
この時彼はどうして私を抱いたのか、この関係になんの意味があるのか。聞くことが怖くて、なにも問い質せないまま十年が経った。
何もかもがわからないまま快楽と背徳感に呑まれ、
私は今も愛しい彼に抱かれる。
＊
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あめ玉 - ぅ、泣ける！いい話！終わりかたがすごく好き！完結おめでとうございます！ (2022年3月28日 16時) (
レス) @page22 id: 09aca0ac89 (このIDを非表示/違反報告)
もちこ(プロフ) - げとーさんの最期の言葉に涙腺崩壊(涙)コメントせずにはいられませんでした。 (2022年3月27日 23時) (レス) @page20 id: bb3f1353bd (このIDを非表示/違反報告)
チョコミン党(プロフ) - うわぁぁぁぁーーー！！夏油さんずるい！！かっこよすぎる！！ (2022年3月27日 22時) (レス) @page20 id: e690e3eff9 (このIDを非表示/違反報告)
葵 - とても面白いです。 自分のペースで更新を頑張ってください。 私も呪術廻戦にハマってしまい作品を書いてますが良かったら題名を教えますか？ 作者さん、体に気を付けてくださいね！ (2022年3月20日 12時) (レス) id: 8e5a2f605a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鈴神 | 作成日時：2022年2月27日 18時
