もう一度【夏油傑】【呪術廻戦】

十回目 ページ12

＊







____十日後。

珍しく一日休みになった今日、
ぼんやりと家の天井を眺めていた。



あれから傑とは連絡も完全に絶えてしまった。
相当な精神的ダメージのおかげで食事もろくに喉を通らず3キロほど痩せた。


任務が詰まっていたおかげであまりじっくり考えることは無かったものの、今日のような日は一日中こうして
ぼんやりと過ごしている。






これは普通のありふれた恋愛でもないし綺麗な失恋でもない。歪だったものがあるべき形になっただけ。
悲しみに浸る権利など私には無い。






しかし、傑にはもう二度と会えないかもしれない。
その事実だけが残酷に私の胸を痛めつけた。






「傑がいないと、なんにも残らないなぁ私」








呟いて虚しくなった。
皆を裏切るような真似をしてまで傑のそばにいたのに
今ではその傑にすら会えない。





ただ私が高専の皆を裏切った、という事実だけが残っていた。





「ごめんなさいっ、」







このまま罪に呑まれて消えてしまえれば____








どうしようもない絶望がのしかかって来た時、
携帯の通知がなった。







＊

十一回目→←九回目

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す