孤 独 .【須堂夏樹】

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翌日

貴「……………」

私は南が取り上げた、エミリーのプラチナリングを見つめながら、ママの事を考えていた。

南「ねぇ、A何かあった？あったなら話して？」

貴「南………ううん。なんでもないの。(ニコ)」

南「そ、そう……」

貴「心配してくれてありがと。」

南「いいのよ。」

美「ねぇねぇ。ツバメ、職員室で演説してるらしいよ。」

伊「見にいこ！」

貴「うん。」



ツ「どうして逃げるんですか
どうして葉月さんを一人にするんですか
一番に守ってあげないといけないオトナがなんで自分だけ
そんなのズルいよ。
いつだって何でもわかってる顔して
優しい言葉をかけて
何か問題が起きたら
オレ関係ねぇって知らんぷり
何もなかったフリして
オトナだけが持ってる消しゴムで
ゴシゴシ消すみたいに
そして消しカスになった私たちに
オトナはこう言うんだ
上手に生きろって
でも
私たちはそんな消しカスじゃない！
消しカスなんかじゃない！」

金「もういい君たちの気持ちはよーくわかったから」

ツ「けど、私たちは弱虫だから
オトナのそんなズルさや頭の良さをどこかで羨ましいと思っちゃって
消しゴムを使って逃げるオトナを
何度も見て
それが上手く生きる方法なんだって学んで
絶対になりたくない
汚いオトナに
いつの間にかなっちゃってるんだ
仲間や友達同士にでも何かあると
そういうオトナの消しゴムを使って
ポイ捨てすることで解決して
ズルばっかする
なのに 今度はそれを教えたオトナが
ダメな子供だって笑うんです
私たちだって ホントはそんなの嫌なのに
けど それしか方法が見つからないから…

だから 教えて欲しいんです
教えてください
上手く生きられなくても
正しく生きる方法を
私たちみたいに不器用な子に
どう生きればいいか
捨てないで
拾っていける生き方を
そんな風に
オトナに頼るのはズル過ぎますか？
そんな風に
オトナを期待して見るのは子供過ぎますか？
もしそうだって言うなら
優しい言葉かけといて
切り捨てることしかできないなら私たちに近づかないで
私たちまで
汚さないで！」


そして、ツバメはエミリーの方を向き。

ツ「葉月エミリーさん。」

優しく、エミリーの名前をよんだ。

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