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まず、駅から降りて一言目。
『うん、田んぼ〜！』
「むしろそれしかなくない？
ねえ、この後来るの二時間後だよ！？
降りるとこ間違えたかも…。」
『まあまあ、ゆっくり観光できると考えよう！』
「…観光するって、どこを？」
『ここら辺。
さすがに、飲食店の一つくらいあるでしょ
早く探さないと、スマホ使えなくて危険なんでしょ？』
「…ああ、そんなこと言ったか
まあ、Aさんが言うくらいだから、探してみよっかな」
『よし、行こう！』
…と、進んでみたものの、
田んぼ、田んぼ、田んぼ、道路、田んぼ、田んぼ、古い一般の家
という感じで、なんもない。
『…本当になんもないな』
そう呟いても、返事が来ない。
おかしいと思い、振り返ると
一眼レフカメラを持ち、田んぼを連写している作間くんがいた。
しかも、結構遠くにいる。
『田んぼしかなくて、つまんないんじゃないのー！？』
少し夢中になりすぎていたから、大声で言った。
「…………ら！」
『はあ！？
聞こえなーい！！』
おい、今ため息ついたな
あ、こっちに来た。
「どんなとこでも、キレイに撮るのが
本物のカメラマンって言ってたから。」
『…へえ〜』
「興味なさすぎ」
頭をコツンとされた。
『いたっ
…だって、田んぼはどう撮っても田んぼでしょ』
「それを、おしゃれに撮るのがプロってことでしょ？」
『うーん…、どう見ても田んぼだよ？』
「…Aさん、そこ立って」
『あ、モデル？』
「そうそう。」
レンズをじっと見て、シャッターを切った。
『どう？』
私の話も聞かずに、じっと写真を確認している
そのキレイな横顔は、ついじっと見てしまう
「…大丈夫？」
『え、あ、うん』
「Aさんさ、もっと自由に動いて？
ちょっと表情とか硬いかも…」
『動いてても、キレイに撮れるの？』
「え、うん」
『へー、撮り方によっては、ブレないんだ』
まったくそこら辺の知識ないからな〜…
「知識がないというか、常識的に…」
『ん？』
「あ、はい、何でもないでーす」
自由に動いてと言われたから、
とりあえず、適当に踊ってみる
「変な踊り(笑)」
『作間くんがしろって言ったんじゃんか！』
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作者名：たらこ | 作成日時：2019年8月26日 20時
