【ＢＬ】学校一のイケメンは、実はツンデレで、俺のことが好きらしい

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「あの時は迷惑そうな顔してたじゃん！気づいてないようなふりまでしてさ……」



あの時とは、おそらく1週間前、体育館裏で俺がヤンキー女に呼び出された時のことだ



要はあの時、神田は俺が自分の好意に気づいた上で、それをないものにしようとしていたことをわかっていたのだろう




「だからもう関わらないでおこうって決めたのにっ！
今度は逃げるなとか言われて……もう、俺わかんねぇよっ」



だから手、離して……
そう弱々しく言った彼が、力を込めていない筈の俺の手を振り払えないのは何故なのか









その理由が、なんとなくわかるような気がして



堪らなくなって、掴んでいた腕を引き寄せ、そのまま彼を抱きしめた



「っ！？ちょっ……何してっ！」


「あー、うるさい」


「っ……

自己中野郎……」



そう言ってにやける口元を押さえきれていないところが、妙に男心をくすぐることを、こいつは気づいているのだろうか



「俺よくデリカシーないとか言われるけど、ここまで自分が無神経だったとは思わなかった」


「今更？それもそれですごいよ……」



駐輪場で、神田圭を抱きしめる男子高校生



道行く生徒が怪訝な表情で過ぎていくのがわかる



「でも、今お前をこうして抱きしめてることも、多分無神経なんだろうなって」



神田は女の子みたいに小さくないし、柔らかくない。だから、こんなに近いのにドキドキしないし、もっと触れたいとも思わない



でも神田は違う



ゼロ距離から感じられる彼の鼓動が、これ以上ないくらい速くなっているのがわかる



このまま中途半端にして、つらい思いをするのは彼だ。そんなことはわかっている



……でも、それでも









「ごめん


俺、ほんと自分ばっかだ」




その苦しみを全て背負わせてでも、俺に繋ぎ止めておきたいと思っている

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