18 ページ18
翌日、下駄箱の前で鉢合わせた神田に「今日弁当一緒に食べるだろ？」と聞くと、彼は気まずそうではあるが頷いた
吉田とトモにそのことを伝えると、2人とも驚いていたがあっさり承諾してくれた
吉田は俺が神田といると拗ねるが、彼が嫌いということではないらしい
「あー、なんか俺緊張してきた」
「なんでだよ」
「いやだってあいつ、自分以外の男子はみんなチンカスだと思ってそうじゃん」
「なわけねえだろ、バカか。そんな悪い奴でもねえよ」
そして今、俺たちは2組の教室の前で神田を待っている
扉に近付き、少しだけ中を覗いてみる
現代文の田村先生が話しているにもかかわらず、殆どの生徒は教科書とノートを閉じ、シャーペンと消しゴムを筆箱にしまい始めている
最前列に座る神田と、学年トップの成績である高橋だけはせっせと何かをメモしていて、やっぱり真面目ちゃんだと思った
「きをつけー、礼ー」
「ありがとうございましたー」
気のない号令が終わると、先程まで先生の声のみだった教室が途端に騒がしくなる
緊張で上がった吉田が、それと同時に扉を勢いよく開けた
「もっと静かに開けろ」
「はは、吉田うるせぇー」
先生の注意と、男子の笑い混じりの声が飛ぶ
女子の冷たい視線には、きっと気づいていないだろう
「かんだあ！俺は腹が減ったぞ！」
そう言われた当の本人は、最初何事かと目を丸くしていた。しかし後ろにいる俺に気づくと、一瞬上がりかけた口元をキュッとひき結んで席を立った
「どこで食べるの？」
廊下に出た神田は、一言目にそう言って俺を見た
「俺らいっつも屋上行くんだけど、そこでいい？」
俺が尋ねると、神田は首を縦に振って答えた
なんだか、その動きがぎこちなくて可愛い
「しかし、お前って近くで見るとますます綺麗な顔してんだな」
「え……あ、ありがとう」
グッと距離を近づけてくる吉田に対し、神田は驚いて半歩後ずさる
「はあ〜……合コン来たら女子いくらでも釣れるなあ」
そう言う吉田の後頭部をスパンと叩くと、奴は「何すんだ！」とでかい声で抗議した
「いや、なんかムカついたから」
「情緒不安定か！」
「はぁ……早く行くぞ、腹減った」
トモはそう言うや否や、屋上に向かって歩き出した。俺たちもそれを追う
その間、吉田が後頭部をさすりながら何やら文句を垂れていたので、もう一発叩いた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 976人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「男主」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
山桜桃(プロフ) - 完結おめです！読み終わりましたーこれから他のBL作品巡回してきます┌(┌＾o＾)┐ﾎﾓｫ、、、() (2020年4月28日 6時) (
レス) id: addc97a0c8 (このIDを非表示/違反報告)
山桜桃(プロフ) - ご、、ごめんなさい！下の人がコメントしたので通知が来て「暇だから読んでみっか」と思って読み始めたら、、エグいです、、、可愛すぎて無理、、、「萌えます」の一言で終わらしちゃダメなやつ！！！！あっ私、下のカラ松ガールです。本当に読む手が止まりません！ (2020年4月28日 5時) (レス) id: addc97a0c8 (このIDを非表示/違反報告)
クロ - 萌えますねぇ。ちょっと逝って来ます、どこに？それ聞きます？？ (2020年4月28日 2時) (レス) id: cfb86d3e94 (このIDを非表示/違反報告)
なんじゃらほいほい(プロフ) - カラ松ガールさん» まじですか……嬉しい (2019年12月1日 4時) (レス) id: 8999d0f4f9 (このIDを非表示/違反報告)
カラ松ガール(プロフ) - 萌えます (2019年11月28日 0時) (レス) id: addc97a0c8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：なんじゃらほいほい | 作成日時：2018年4月5日 11時
