お爺ちゃんじゃない【２】

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楽しい席のはずなのに、何だか涙が出そう。トイレの個室で泣きそうな私って一体なんなんだろう。ユンギさんとの勿体無いぐらいの思い出だけで幸せだと思ってたのに、いざ近くにいると欲張りな心が出てくる。








誰よりも近くにいて欲しい。



あの人より私を見て欲しい。



私だけがユンギさんの笑顔を知っていたい。








私にもこんな気持ちがあるなんて知らなかった。今まで経験が無いわけじゃないのに初めての感情に戸惑ってしまう。私ってこんなに欲張りな人間だったっけ？こんなにユンギさんの事が好きだったなんて気付かなかった。こんなに汚い感情を知るくらいなら気付きたくなかったのに。






涙がどんどん出てくるから止まるまで個室にこもった。その間はユンギさんとの思い出が溢れてきて苦しくなったり、でも嬉しい気持ちになったりもする。こんなに私の気持ちを振り回すのに、きっとユンギさんは楽しくお酒でも飲んでるのかと思うと足の小指をテーブルにぶつけてしまえば良いのにと八つ当たりする気持ちまで生まれてくる。






そんな自分がおかしくて、ようやく涙も止まってくれた。戻ってもう家に帰ろう。しばらく戻らなかったから不自然に思われるかもしれないけど、みんな酔っ払ってるし気づかないよね。泣きすぎて顔が酷いけど、酔っ払って吐いたって言えば多分大丈夫。





よしっと気合を入れてドアをあけると、目の前にユンギさんが現れた。





「なんで、」


YG「･･･････････････」


「あ、おトイレですか。どうぞ」


YG「･････････」


「･･･それじゃあ、行きますね」


YG「･･････Aを、探してた」




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