お爺ちゃんじゃない【２】

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少しずつモノクロに近くなる毎日を過ごしていくなかで国から外出禁止令が終了と発表されて、ようやくまともな仕事ができるようになる。



出社すれば見慣れた顔の人たちが沢山いて安心する。少しずつ前の生活が戻ってきたのかなと感じながら寂しさを埋めようとひたすらに仕事に向かっていた。


そして夏が少し終わりかけた頃、国中で大きなニュースが流れてきた。



防弾少年団の皆さんがアメリカのチャートランキングでなんと1位を獲ったのだ。



テレビ局はこのニュースに乗って様々な番組が防弾少年団さんへのオファーを掛けたり、一層忙しくなっていたけど、私のいるバラエティは呼んだりするような番組じゃないから関係はない。本当に関係がなくなってしまったんだと感じたけど、テレビで久しぶりに見るユンギさんはさらに格好良くなっていた。



「(きっとユンギさんのことはこれからもきっと忘れられないんだろうな･･･)」




バラエティ番組に異動してからきっともう会うこともないだろうって思ってたけど、心のどこかで期待してる自分も居て連絡先だけは削除出来ていなかった。



けどもうこの気持ちも潮時なのかもしれない。そう思うと自然とユンギさんの連絡先を削除しないといけないなと思えた。



スマホの画面を開いてユンギさんとのトーク画面を振り返る。こうして見てみると短いトークで、ユンギさんのぶっきらぼうな言葉も見えるけど端々に優しが溢れててり少し振り返るだけで色が戻ってくる。




「(ユンギさんと出会えてよかった)」





ユンギさんへの気持ちがようやく整理出来そう。
そう思って連絡先を削除した。





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