お爺ちゃんじゃない【２】

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『それでは次のニュースをお伝えします。世界中で確認されている新型のウィルスについて、国内での感染者数が･･･』



編集室の隅のデスクで作業をしながらニュースを見る。まさか世の中がこんなことになるなんて･･･。




新しい年になる前から少しずつ話題にはなっていたけど、新型ウィルスの感染力は凄くてずっとマスクを付けてお出掛けも仕事でさえ今はなかなか行けなくなっている状況になってしまっている。



「はぁー･･･」



ため息が編集室に少しだけ響く。



3月になって音楽番組から離れてまたバラエティ番組を担当することになった。どうやらスタッフさんが産休に入ることで人が足りなくなってしまったらしい。そんな時ちょうどシウさんから声が掛かって戻ってきたけれど･･･




「(こんな状況じゃ仕事も出来ないよね･･･)」




ロケにも行けず番組は過去の放送を流してなんとか繋いでる状況。私も普段は家でのリモートだけどこうしてたまに出社して過去の放送を確認する作業をするだけの仕事になっている。



18時になって確認作業も終わってそのまま帰宅。2年前にバラエティにいた頃は生活リズムなんてものはなくて家にはご飯食べて寝に帰るだけだったのに今では規則正しい生活になっていた。




家でも仕事はするけど、1人でいる時間が長いせいかぐるぐると考えてしまう。考えることはもちろんユンギさんのことで、今までの思い出を思い出してニヤニヤしたり最後は結局切なくなったり、色々な表情をしてる私をみてナヨがご飯を催促しにくる。これが今の毎日。




まるでユンギさんとの事が夢だったかのように思えるくらい、私の毎日から色が少しずつ減ってきてしまった。





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