お爺ちゃんじゃない【２】

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ST「こっちのイヤモニ音出てねぇぞ！サブ用意しろ！」


ST「A2から切り替えます！」


ST「こっちの配線ないよ！予備持ってきて！」


ST「今行きます！」




インカムから様々な指示が聞こえてくる。こっちも少しバタバタし始めたけど今のところは問題ない。




色々なトラブルがある中でアーティストの人たちは歌うことも踊ることも止めず、目の前のお客さんだけじゃなくて画面の向こうにいる人にも届けるために続けている。特に生放送だと失敗しちゃいけないってプレッシャーも凄いはずなのに。







本当にすごい人たち･･･。





自分たちを応援してくれる人がいる限り、この人たちは止めないんだろうな。そしたら私は今何のためにこの仕事をしてるんだろう。






私も今までは仕事に集中出来てたはずなのにユンギさんと出会ってから昔の自分がどう仕事に集中出来てたのが分からない。だけどユンギさんは私と出会っても、ご飯を食べるようになっても変わった様子は見られなかった。





ここでもまたユンギさんとの距離を考えさせられる。好きになったあの日はただ好きなだけで幸せだったはずなのに。







時間が進むのは早くてもう防弾少年団さんのパフォーマンスになってしまう。






私がユンギさんを好きでいられるのも後少しの時間しかない。







どうしても気になって向こう側の舞台袖で準備をまってるユンギさんを見る。別のアーティストさんがパフォーマンスをしているからしっかり顔が見れた訳じゃないけど、ユンギさんも私の方を見てくれたような気がした。








ST「防弾少年団の皆さんスタンバイお願いします！」








インカムから指示が流れて私もモニターのチェックに入る。







舞台が暗転していよいよ防弾少年団さんのパフォーマンスが始まった。




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