Reviving memory ページ5
中学を卒業して美羽と陽介と一緒に進んだサッカー強豪高校で進学校。
頭の少し悪い陽介はサッカー推薦だけど、私と美羽は共に留学経験者って事もあり指定校推薦で入学。
クラスも一緒に始まった高校生活ではサッカー推薦で入学して来た、篤人、麻也、真司、ミチ、トンジと席替えで斜め前に座った麻由、この9人の仲間と出逢い楽しくなる幕開けと共に、あの日の記憶が薄れていた。
入学してから二日目、サッカー部の練習見学に行った私達に待ち受けていたのは中学時代の経験を推薦された"サッカー部のマネージャー強制就任"。
高校に入ったらバイトをしながら夢だったモデルを目指しフランス語のレッスンにでも通うつもりだった私。
ただ、入学して3日目。
美羽と麻由と買物中に今のマネージャー大和さんにスカウトされて、某雑誌の専属モデルをする事になった。
その時美羽は大和さんに
「この子は絶対1人にはさせないと約束して下さい。」
そう母親みたいな事を言って大和さんを困らせたのは今では笑い話となっている。
モデルを始めて最初から売れるわけでもなく高2の秋までは毎日学校へ通ってサッカー部のマネージャーも続けながら当たり前の高校生活を送っていた。
篤人に恋をしたのは高1の夏休み。
うちの高校はサッカーも野球も強豪で同じクラスの坂本勇人は野球部の次期エースとして注目されていた。
その勇人に佐々木を思い出させる様な行動をされた私を助けてくれたのが篤人だった。
それがきっかけだけどきっと入学式から篤人を好きだったのかも知れない。
1年のクリスマスイブにずっと好きだった篤人と付き合い始めて毎日が楽しくて楽しくて仕方なかった。
そして、篤人と初めて結ばれたバレンタイン。
篤人だから、あの日の事を全て話せた。
篤人だから、私は全てを捧げた。
ー篤人が彼氏で本当に良かった。ー
心からそう思っていた。
篤人と付き合ってから忘れかけていた佐々木事件。
祐樹にされたキスがそのトラウマを蘇らせてしまったのだ。
――――――――――――――――――――…
「A姉が思う程俺はガキじゃない!」
『祐樹…』
「好きなの…A姉が」
涙をいっぱい溜めた祐樹の真っ直ぐな思いが痛い程伝わると胸を締め付けるのは佐々木事件のトラウマともう一つの罪悪感。
祐樹をずっと思い続けている妹の"さゆき"がその場に居て私を憎み出すとは知らず、篤人と付き合っている事さえも言えない私は陽介の家に飛び込んでいた。
今は逃げるしかない僕を許して欲しい。→←Reviving memory
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作成日時:2013年4月27日 21時