有りの儘で居ようと決意したのはトラウマから抜け出す為 ページ33
みんなで朝ご飯を食べて、真司、ミチ、トンジは着替えると言って一度寮に戻った。
A『美羽と麻也はこれからどっか行くの?』
麻也「あ、うん。動物園に」
篤人「麻也ってゆー動物がいんのに?」
美羽「篤人!」
A『もーごめんね、麻也。いつも。』
麻也「平気だって!ウッチーはこれしか愛の表現無いの分かってるから〜」
篤人「うっせ」
美羽「A達も行かない?あ、でも変装しなきゃダメか」
A『あたし、もう篤人の事も自分の事も隠さないって決めたから』
偽り続ける事に限界を感じたのもあるけど…
美羽「A?」
篤人「どうした?いきなり」
麻也「そうだよ!何で急に?」
私が私らしくある為にはそうするしか無いと思ったんだ。
『確かにファンあっての仕事かも知れない。でも、自分の大切なモノを犠牲にする位なら辞めても構わないと思ってるの。目指してきた仕事が、篤人や周りのみんなを隠す事でしか出来ないなら、あたしはもうカメラの前では笑えない。篤人が居て、美羽や麻也、陽介達に支えられて今あたしがモデルとして成功出来たと思ってるから…隠したくないの。変装もしないし篤人と堂々と外歩こうと思う。え?あ、あたしおかしいかな…?』
ここ半年で目まぐるしく変化した環境。
突然雑誌の専属モデルに抜擢されると表紙を飾るのは当たり前で露出さえ許されなくなった。
2年の文化祭も出られず、1年目の記念日も一緒に過ごせず…
バレンタインも春休みも始業式も何もかも我慢しなきゃいけなくなって、外出さえ許されなくなった。
自分が目標にしていたモデルという仕事でこんなにもたくさんの事を我慢しなきゃいけないなら、有りの儘を話して私らしく生活したい。
そう思ったのはきっと祐樹との事があったから。
美羽「おかしくなんか無いよ!」
麻也「Aがそんな事考えながら仕事してたんだって思うと、俺泣ける」
篤人「Aが決めたならいいよ。それに俺も隠さないって決めたから。」
美羽「篤人の為に決めたの?」
篤人が不安をぶつけた昨日の夜、改めて決意したのもあった。
『もちろん篤人の為もある。篤人に余計な心配かけたくないし、あたしには篤人だけだもん。でもね、昨日みんなと久しぶりに過ごして、あたしの在るべき姿を改めて知ったってのもある。』
残り少ない高校生活をこの仲間達と一緒に居たい。
この時は何でかモデルという仕事を優先するよりも大切な仲間達と一緒に居たいと思ったんだ。
嫌な予感がしてたから…。
僕の真剣な想いを暖かく見守ってくれるんだ→←君の温もりを肌で感じた穏やかな朝
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作成日時:2013年4月27日 21時