other side ～扉の向こう～ (ページ32)

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君の温もりを肌で感じた穏やかな朝ページ32

目が覚めるとAが腕の中にいる。

ここ半年でモデルとして急に露出が多くなったA。

付き合う前からやっている事だし理解もしている。

Aの両親に付き合う事を報告した時
「モデルとして成功するAとプロになって成功する篤人が将来一緒に居てくれると俺たちは嬉しい」
そうAの親父さんに言われた時正直先の話しされてもなと思ってたけど…

プロからスカウトが来る様になってどんどん将来のビジョンが見える内に隣に居るのがAじゃなきゃ嫌だという独占欲にかられている。

昨日、大津が真っ直ぐにぶつけてきたAを好きだと言うあの表情。

もう俺には余裕が無かった。

誰にも取られたくない一心でいっぱいだ。

鹿島に決まったからついて来てと言ったら
「篤人の行く所には着いて行く」
真っ直ぐ目を見てAが言ってくれた。

もうその言葉だけで十分に伝わってきた。

腕の中で眠るAの穏やかな顔。

暗闇に映る艶っぽい顔。

この先も俺だけにしか見せないでくれと心の中で強く願い、Aの寝顔にキスを落とす。

『…ん～』

Aは目を覚ますと優しく微笑みかける。

「おはよ」
『あーっちゃ～ん』

寝呆けながら腕を俺の首にかけ可愛く俺に甘えるAを抱き寄せる。

『おはよ～。はぁ、幸せな朝だ』
「(笑)」
『あ～つとッ』

俺の名前を呼ぶと寝起きのキスを送ってくる。
それに答えるようにAの頭を抱き寄せ深く口付けする。

「もうおしまい。」
『えー！？』

キョトンとした顔で見つめるAが可愛くて今にも理性が飛びそうなのを抑える。

「麻也達もう起きて来るから。」
『そうだね。朝ご飯用意しなきゃ』

Aはそう言うと俺に名残惜しいとキスを送りベッドから起き上がる。

俺もベッドから起き上がりリビングへ向かう。

リビングで雑魚寝している真司達を蹴りながら起こした。

真司「もおーウッチーなんなん！まだ寝たいんやけどー」
篤人「寝たかったら寮でゆっくり寝ろ」
真司「えーやん」
麻也「はよー」
美羽「おはー」
安田「今何時？9時やん」
槙野「めっちゃいい匂いするんじゃけど」
A『はーい！3バカ起きて！！朝ご飯出来るから！』
真司「A、3バカて…」

賑やかな朝を迎えていた。

Aといつもの仲間が居る普通の事が嬉しくて顔が綻ぶ。

きっとAがそう感じる様にさせているからだと幸せに浸る俺の顔を覗く真司が嫉妬しているのも気付かない振りをしてるんだ。