目が覚めた時襲った後悔 ページ28
重い身体を引きずりながら宏樹に促されリビングへ向かう。
宏樹に見られて焦る気持ちは全く無くて寧ろ清々しい気分の俺が其処にはいる。
さゆきと付き合うと決めたからには責任を取るつもりだし、さゆきの親にも自分の親にもちゃんと話すつもりだ。
リビングのソファーに腰を掛けると宏樹がボソッと吐き出した。
「…お前、最低かも。」
「…俺もそう思う。」
「自覚あんならいいけど。昨日までA姉、A姉って言ってたお前がさゆきと…」
「…俺もこうなって正直分かんねぇ。さゆきがA姉に見えてバカみたいにさ…」
「さゆきはそれでもお前がいいって言うだろ。ずっとお前の事しか見てなかったんだから。」
「知ってたのかよ?」
「何年一緒に居ると思ってんだよ?気付かないの、お前位だよ。もちろんA姉も知ってる。」
「…はぁ。」
ため息しか出なかった。
「A姉の彼氏が内田君だって気付かないのは、A姉がモデルとして成功するまでは私生活を明かさないって事務所と約束したからで、極力陽介君達が家に入る所まで着いて行ったりしてたからだって。さゆきもそれを知ってたからお前には言えなかったんだ。さゆきは、祐樹の気持ちはいつもA姉にあって、A姉の話をする時のお前の顔を見るのが辛いって言ってたんだ。何も知らないのお前くらい。」
宏樹から聞かされる話は本当に初めて聞く事ばかりで頭が混乱してくる。
「お前さ?」
「ん?」
「A姉とさゆきが険悪になった原因何て聞いてんの?」
「ケンカしたしか聞いて無いけど…」
「原因作ったの、お前だよ。」
「え?」
「お前卒業式の日A姉に何かしたろ?」
「…うん…」
「さゆき見てたんだよ、それ。」
「え?」
「たまたま買い物帰りに泣きながら歩いてるさゆき見付けて話聞いたら、お前がA姉とキスしてたって。あたしの気持ち知ってる癖にお姉はズルいって…」
「あれは俺が無理矢理A姉にキスしただけで…」
「大事な妹の好きな奴でしかも弟同然のお前からされたA姉の気持ち考えた事あるか?彼氏が居るのかとか聞けば分かる事よりお前はいつも行動が先だから今回みたいな事になんだろーが。」
「…」
何も返す言葉が見当たらなかった。
あの時は無我夢中でA姉をどうにかしたい一心で向かった。
それが2人を険悪にしていたなんて全然知るはずも無い。
だけど、それだけで険悪になる様な仲では無いと思ったんだ。
A姉はさゆきを大事にしているから…。
初めて知る過去と自分が犯した間違い→←手に入れたのは体で心はまだ…
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作成日時:2013年4月27日 21時