君の心にある想いを吹き飛ばせるなら何でもしたい ページ24
お姉達と逆方向へと歩く。
「なぁ？」
「何？」
「何で隠した？」
「何を？」
「A姉と内田君の姿見せない様に隠したんだろ？お前同情してる？」
「同情なんかとっくの昔にしてないよ」
「そっ」
「んで？何食べたいわけ？」
「んーさゆき。」
「は？」
「嘘(笑)」
「バーカ」
「今ドキッとしたろ？」
「したよ。」
「え？」
あたしは祐樹に無理矢理キスをした。
「ドキッとさせた罰(笑)早くいこッ!」
「お前なぁ！」
あたしのファーストキス。
祐樹と想いが通じた時祐樹にあげたかった大切に守ってきたあたしの唇。
ほろ苦くて切ない味がする。
だって…その唇はお姉が先に奪ったんだから。
スーパーに寄って祐樹の家に向かった。
祐樹の両親は共働きでいつもうちで夕飯を食べるのが当たり前だったし、こうして当たり前の様にあたしが祐樹のご飯を用意している。
ここまでは当たり前の日常だった。
「んっめー♪ホントさゆきは飯だけは完璧だな」
そう言ってあたしの頭をクシャクシャ撫でる祐樹。
「飯だけって酷くない？」
祐樹の為だから頑張って覚えたんだよ？そう言えないもどかしさだけが残る。
「ご飯食べたらお風呂入りなよ？あたし帰るから」
「え？もう？」
「何で？」
「え、あ、いや…何つーか…」
「1人じゃ淋しいから添い寝しろとか言う？(笑)」
「…ん。」
「全く」
「居てくれんの？」
「分かったから、お風呂入ってきて。着替えてまた来るから。」
「うん」
祐樹はお風呂へあたしは制服を着替える為に自宅へ戻り、着替えてからまた祐樹の家に戻る。
祐樹の家に入るとタオルを腰に巻きつけたままお風呂から出てきた祐樹と遭遇する。
「はっ？バカ！そのまま出て来ないでよね！」
「あ、悪りぃ。」
サッカー部でよく脱ぐから祐樹の裸は見慣れていたはずなのに、お風呂上がりの姿は小学生の時以来でなんだか緊張してしまう。
「着替えて来るから覗くなよ」
「バカじゃん？(笑)早く行け！」
このやり取りまでは、いつも通りだった。
その後何故か気まずくて無言になってしまうのが嫌で祐樹の家のお風呂に入っている。
祐樹と同じ香りが私の体中に広がると嬉しさと恥ずかしさが一気に湧き上がる。
お姉じゃなく私を好きになってくれたら私はお姉をあんな形で失わなかったかも知れないのに…。
「ねー！祐樹ー！タオル忘れたから持って来てー！」
この時私がわざとタオルを持たなかったのはただ祐樹を驚かせたかっただけなのに…。
僕は彼女に君を重ねて抱いたんだ…→←君の不安も僕の不安も一瞬で消える魔法があればいいのに
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作成日時：2013年4月27日 21時
