そこには憎しみを帯びた視線がずっと突き刺さり僕は走り出したんだ ページ22
美羽が足を止めて一点を見ているその先にはさゆきが祐樹を隠す様に抱きしめている姿が映る。
安田「何や!大津の奴もう彼女出来たんかい!」
陽介「いや、あれさゆきや。」
真司「さゆきってAの妹ちゃうん?」
安田「めっちゃ睨んでんねんけど…」
私は手が震えていた。
祐樹を抱き締めながら私を睨んでくるさゆきから目を離せない。
篤人「行くぞ。」
篤人は私の様子に気付いてみんなに前に進む様に促して
"見るな"そう言って肩を抱いて歩かせてくれた。
美羽「ごめん。」
A「何で謝んの?美羽は悪くないのに」
美羽「あたしが立ち止まらなきゃ…」
篤人「美羽、みんなが心配するからやめろ」
美羽「あ、うん。」
篤人「お前もしっかりしろ。今日は麻由が主役なんだから。」
A「ごめん篤人。」
篤人の言う通りだ。
今日は麻由の誕生日。
しっかりしなきゃ!!
『篤人、ありがと』
そう言って何故かダッシュしていた。
「おい!A!何でいきなり走るん!意味分からん!」
陽介も私の後に続いて走る。
「俺もは〜しるぅ〜」
ミチ、トンジ、真司と後ろに続く。
麻也「なーんか、いいね」
篤人「何がだよ!“パシッ”」
麻也「痛ぁ〜い!美羽ー!ウッチーに殴られた」
美羽「殴られた麻也が悪い!ちょっとー!Aマジ足早い!麻由行こう!」
麻由「マジ!!?あたし走れないー」
篤人「彼氏の麻也よりA優先。カワイソー麻也」
麻也「もおッ!待ってよー!」
高校生らしい自分達がそこには居た。
マンションに着いてとりあえず水分補給する。
麻由「Aマジ足早いから」
A『ごめんごめん(笑)』
槙野「うわッ!すげ〜!」
安田「モデルって儲かるんやな」
美羽「ミチ、やらしい(笑)金の話し」
陽介「なぁ?これお前全部やったん?」
部屋の飾り付けや料理を見た陽介が問う。
A『大和と香奈さんに手伝って貰ったけど、料理は1人で作ったよ』
真司「Aって料理出来たんや!?」
A『どーゆー意味ーそれ!』
真司「エッ!ウッチー!A怖いってー」
篤人「(笑)」
A『飲み準備するから適当に座って?』
麻由「あたし手伝うよ」
美羽「麻由は座ってて。」
A『そう!今日は主役なんだから麻由は』
さっき見たさゆきと祐樹の姿に動揺する自分を隠す様に明るく降り舞う私に違和感を感じて見ていたのは陽介と篤人で震えている体を隠しながらその視線を無視する様にキッチンへと足を運んでいた。
君の不安も僕の不安も一瞬で消える魔法があればいいのに→←耳元に届くその言葉はどんな意味なのか
37人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作成日時:2013年4月27日 21時