小さな男の子が落としたトラウマへの落とし穴 ページ3
陽介
「A!?どうしたん?!何で泣いてるん!?」
――――――――――――――――――――――…
蘇るあの日の記憶。
あれは中2の夏休みだった。
私は1年から陽介に誘われて美羽とサッカー部のマネージャーをしていた。
その時はちょうど本田さんに頼まれて部室へ物を取りに向かう最中だった。
「あー、山本ー?」
『はい?』
「ちょっと話あっからこっち来てくんない?」
声を掛けて来た人は先輩で野球部のエース"佐々木"で、部活最中でしか会わないし挨拶程度の面識しかなかった。
『えっ?あー、本田さん待たしてるんで後でもいいですか?』
「いや、いいから来いよ。」
『えっ?いや、ヤダ!』
手を掴まれ強引に引っ張られて倉庫裏へと連れて行かれた。
『先輩!離してっ!』
“ドンッ!”
壁に押さえ付けられ無理矢理唇を塞がれる。
『―嫌だよ…怖いよ…誰か…助けて…―』
心の中でそう叫んでもいきなりの事で怖くて怖くて息も出来ないし声を発する事さえ出来ずにいる私を嘲笑う様に佐々木の手は体全体を弄ぶ様に探ってくる。
佐々木にされるがまま止まらない涙と恐怖心に脅える私の敏感な部分を触りながら佐々木が自分のズボンを下げ下ろした時だった。
「おい!お前俺のAに何しとんねん!」
“ボフッ”
その場に駆け付けた陽介が佐々木を私から離すと思い切り殴りかかり私は美羽に抱えられていた。
「A大丈夫だから。」
本田さんに頼まれて部室へ向かう私を見ていた陽介と美羽は、帰りが遅い事を不審に思い部活を放り投げて私を探していた所に飛び込んできた衝撃な場面に怒りを爆発させた。
「てっんめぇ!」
“バシッ”
美羽は佐々木の右頬に思い切り叩きこう吐いた。
「力尽くで女手に入れようなんて100年早ぇーんだよ!」
佐々木を押さえ付けていた陽介はその言葉で笑ってしまったって聞いたのは後になってから。
美羽はその後佐々木の胸ぐらを掴み怒りに湧く魂の叫びを続けている。
「あんたは良いと思ってもAには一生トラウマが残るわけ。どう責任取ってくれんの?目の前で死んで詫びれば?その位の事あんたはAにしたんだよ!早く消えろ!二度とA前に現れんな!」
美羽の言葉を聞いた佐々木は「ごめん。」とひと言吐いてその場から逃げる様に去って行く。
私は怖くて泣く事しか出来ずに立ちすくんだ。
『陽介…怖いよ…』
陽介はただ抱き締めて背中を優しく撫でて"大丈夫やからな?"そう問い掛けてくれていた。
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作成日時:2013年4月27日 21時