君を想うと怖くなる僕はそっと抱き寄せて囁くんだ ページ17
電話の後始業式も出られなかったAと久しぶりに会える事が嬉しくて練習がいつもよりキツくても頑張れてミニゲームを終えて10分の休憩中、ふと校舎側の端に目を向けると美羽と楽しげに話ながらこっちに向かって来るAを見付けた。
「Aー!」
Aの名前を呼びながらダッシュで駆け寄ってく陽介に嫉妬する俺。
いくら幼なじみって言っても陽介は可愛いし?イケメンだし?優しいし?俺とは正反対でよく喋るし?いつか陽介に奪われてしまうんじゃないかって不安に襲われる時もある。
麻由も言ってたっけ?
Aに陽介を奪われてしまうんじゃないかって不安になるって。
陽介がAとハグしてるケツに蹴り入れてAを自分の胸へと引き寄せる。
「会いたかった」
思わず出た本音。
『あたしもだよ』
そう言って俺の背中に手を回したAが愛おしくてたまらない。
「篤人って人前でそんな事するタイプだった?」
美羽の声で現実を突き付けられる。
確かに俺はそんなタイプじゃない。
振り返ると麻也を筆頭とする愉快な仲間たちがこっちにあーだこーだ言ってるのが見える。
でもAは優しい目で爆笑?そんな可笑しいわけ?みたいな…ま、そんな余裕かましてっけど俺実は今日マジ焦ったんだわ。
大津のあの真っ直ぐな目。
Aを好きだって言ったあの時の顔。
大津とAの間に起こったあの出来事の時のAの顔が蘇った。
必死で謝るAを強く抱き締めて優しいキスを落とした時"篤人が彼氏であたしは救われた"そう言って俺の胸に顔を寄せたあいつが更に愛おしくてたまらなくなった。
どんな事があってもAを守り抜くんだと俺はあの時心に誓った。
でも大津のあの真っ直ぐな目が俺を不安にさせていた。
いつかAが大津の元へと吸い込まれて行くんじゃないかと。
いつになく弱気な俺。
「ウッチー?」
「ん?」
「心配せんでもAは祐樹に靡いたりせーへんから。祐樹も無理矢理Aとウッチーを引き裂く様な事せんしな。」
「陽介?」
「俺はAをずっと見てきたから分かる。あいつは心底ウッチーに惚れとるって。せやなかったら祐樹との事や中学ん時の事、彼氏に自ら話したりせーへん。ウッチーやから話したんやしそれだけウッチーに信頼を置いてるって事。」
「ありがと。なんか俺焦ってたわ」
陽介の言葉で胸のシコリが軽くなった。
そしてAへの思いも一層強く増していった。
ずっとAが隣で笑ってくれるように…
変わらぬ笑顔に見守られる幸せに感謝→←急に現れた君の目線は僕には届かない
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作成日時:2013年4月27日 21時