今日ここで嬉しさと苦しさを同時に味わうことをまだ知らない ページ14
「祐樹に会うの怖い?」
『んー怖いってか…あたし篤人との事言って無いの。』
「は?!あの時篤人とは付き合ってたのに?」
『そうなの。祐樹には言えなかった。何故か。泣いてたから…祐樹』
あの時祐樹を抱き締めてあたしから出た言葉を聞きながら胸の中で泣きじゃくる姿に篤人との事は言えなかった。
小さい頃から知ってるからこそ祐樹の気持ちが真っ直ぐでキレイなモノだと分かっている。
そして、何よりも負けず嫌いな事も。
「でも、いずれ知る事。祐樹には祐樹の幸せを掴んで欲しいよね。」
『もちろん。でもさあの祐樹がって思った?』
「あたしも!でも言われなかったりされなかったら気付かなかっただろうねAは(苦笑)」
そう言って笑う美羽にどれだけ助けられていたか。
『だよね(苦笑)』
「だよー!(笑)あ、ほら!麻也ー!」
話しながらグラウンドに着いた時美羽は麻也の名前を叫ぶ。
あたしの視線の先にはもちろん篤人。
「あ!美羽ー!え?A?Aー!」
デカイ顔の麻也がさらに顔がデカくなっている。
槙野「今誰かAって呼ばんかった?」
安田「え?嘘やん?Aは仕事やろ?」
真司「あ!Aやん!ウッチー知っとったん?!」
内田「うん。呼んだの俺だし。」
槙野「サラッとかっこいい事言うんやー」
陽介「Aー!」
陽介がダッシュで駆け寄って来る。
宏樹「A姉だ!」
清武「山本A!?あれはヤバイやろ!」
宏樹「俺の自慢(笑)」
清武「祐樹が惚れんのも分かるわ」
慶悟「なになに?何見てんの?え!?この学校に山本Aがいんの?!」
宏樹「今更!?」
慶悟「え?」
駆け寄って来る陽介に手を降る。
「来れへんかって思ったわ」
『今日は麻由の大切な日でしょ?来るに決まってる。』
「あーAなんていい子♪」
陽介に思い切りハグされる。
麻由と陽介は1年の冬休みから付き合っている。
そんなのもお構いなしで私に抱き付いてくる癖は昔から変わらず、1年の頃私がまだサッカー部のマネージャーをしていた頃本田さんによく怒られていた頃を思い出す。
「陽介!トロ子に抱き付いていいのは俺だけや!!」
中学の頃から私と美羽を凄く可愛がってくれた本田さんも今じゃJリーグで活躍するプロサッカー選手だ。
『何か本田さん思い出す(笑)』
「おい!(笑)」
私と陽介と美羽。
この3人の絆はずっと変わらないんだ。
この空気を消さない様に大切に大切にしているから…。
愛しさに包まれると遠くにある視線が心を乱すんだ→←大切な友の前では僕も普通の高校生になれる
37人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作成日時:2013年4月27日 21時