other side ～扉の向こう～ (ページ2)

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どんな時も君だけしか見えていなかったんだページ2

A姉は幼なじみで2つ上で高校に入学してからモデルをしている。

隣に住んでいる宏樹と俺はA姉にとってはさゆきがいるからなのか本当の弟の様な存在なのは周りから見ても一目瞭然だったけど弟扱いされるのが嫌だと気付いたのは"恋心"を抱いてから。

家の向かいに住んでいる陽介君とA姉は幼なじみを通り越して依存級の仲で…いつも陽介君がA姉の隣を独占していて陽介君に嫉妬していた。

その隙を俺は狙ってはA姉の優しいその笑顔を独占するのがずっと楽しみだった。

高校を決めたのはA姉と同じ学校に行きたかっただけではなくてサッカー選手になる夢を叶える為でもあった。

俺は宏樹と春休みからサッカー部の練習に参加していた。

サッカー推薦でA姉と同じ高校に入学して来て近所の寮に住んでる内田君、麻也君、槙野君、ミチ君、真司君はA姉の同級生で俺と宏樹のサッカー部の先輩。

みんなそれぞれサッカーの上手い人が集まっていてなかなか手強い先輩だらけに囲まれている。

陽介君とも幼なじみだから入学前から先輩達とのコミュニケーションや部活のやり方の面倒をみてくれていて俺と宏樹はすげー助かっていた。

ただ…この時はまだサッカー部の先輩の誰かとA姉が付き合ってるって事は全く知らなかった。

入学してから俺と宏樹はサッカーが目的で入学してきた清武弘嗣と東慶梧と仲良くなってさゆきを含む女子(香織、美奈、遥)の8人で過ごす日が増えていた。

香織と遥は小学校からの幼馴染みでこの高校には大学進学を目的として入学した。

美奈は埼玉からこの高校にバスケ推薦で入学してきたサバサバした男勝りの女の子だ。

「大津？委員会決めた？」
「まだ決めてないけど？」
「体育委員やろ？」
「えー美奈と？」
「何だよ！文句あんの？」
「いいけどー。」
「つか、大津って何気に人気あんだね。昨日帰りにサッカー部見たらもう大津のプラカード持ってる子いたし」

"チャラ男だからねー祐樹は"と呆れ気味で近寄って来たのはさゆき。

「お前さー。」
「見た目はチャラ男じゃん。」
「中身は違いますー。」
「どーだか？」
「あのなー！」
「はいはい(苦笑)兄弟喧嘩はやめましょー(笑)」
「美奈！」
「さゆきと大津ってホント仲良いよね。さゆき彼氏も作れないじゃん(苦笑)」
「あたし好きな人いるしー。」
「誰！誰！？」

さゆきの好きな人の話に聞く耳をもたずにいたのは入学してから会えずにいるA姉を思っていたからだ。