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ガヤガヤと昼休みになってキャンパス内に溢れるかえる程の人々。
お弁当を持って今日はどこで食べようか、何して過ごそうかを考えながらぼてぼて歩いていると、ポンッと頭に掌が乗る感触がした。
「よーA、今日もちょこまかしてんな」
「……宇髄か」
「あったりー」
なんの抑揚もない声で話しかけてくるのは高校からの同級生の宇髄天元。そこそこ仲が良い一人。
「今日はどこで食べんの」
「んーどうしようかね、静かそうなとこ」
「いつもそれだよなぁ」
「人が多いとこやだし、だるいし、疲れるし」
「女の子ってのはもっとキャッキャとお弁当とかお菓子広げて、最近彼氏とどー?みたいな話すんじゃねーの?」
「私がそういうタイプだと思う?」
「まあ、ねーな」
「出来ることなら私だってそういう事やってみたいよ、出来ることなら、ね」
派手に!!!!!!
と振り返って言ってやれば、隣の宇髄はくはっと笑った。
おまけにポンポンと頭を撫でてくる。
「ちょい惜しい。ギリ似てねぇ」
「そーでっかあ、駄目かぁ」
「俺お前のそーゆーとこ好きよ、こーんなノリ良いのになあ?」
と覗き込むように茶化してニマニマと笑う宇髄。あげく「なーんでお友達が出来ないんでしょうねえ?」
女の子の♪、と追い打ちかけてくる始末。
む、とむくれると「ほっぺでてる、」と突かれた。
「そーゆー私に付いてくる宇髄も変わった趣味してんじゃん?」
「えー?俺はお友達いなくて可哀想なAちゃんを、慰めてあげよーかなー?みたいな?」
「頼んでない!」
「んな事ゆーなよー。俺だってその気になればその辺の女の子捕まえていけるのよ?」
「………行けばいいじゃん」
知ってるよ、宇髄が女の子に人気なの。高校の時からずっとそうじゃん。
だから言ってんのに。変わった趣味してやんのって。
「そんな顔すんなって、いーの。俺はAといる方が楽しいから居るんだぜ?お前派手に面白えから派手にな!!!!」
「二回もゆわんでよろしい」
宇髄と駄弁りながら、学内を歩いていると前からキャッキャと楽しげな女子の塊の集団、
と、プラス男が一人。
「おっ、もしかしなくてもあれは〜」
とわざとらしく宇髄が声を上げる。
「………!」
ぱちり、男と目が合った。
「あ、」
こちらに気付いた男が何かを発する前に私はふいっとその集団の横を無言ですり抜けた。
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ふぐひらめ - はぁああぁ……最高……(溢れ出る幸せ) (2021年12月5日 22時) (レス) @page21 id: f76242864c (このIDを非表示/違反報告)
星空 - 続きが気になる!更新頑張って下さい! (2021年3月5日 8時) (レス) id: 8e029f144e (このIDを非表示/違反報告)
あゆゆ - ぎゃぁぁぁぁっっ!!え、死ぬんだけど笑笑実弥が一番好きなのでもう心臓もげそう笑続きめちゃ気になるー!!更新頑張って下さい! (2020年11月28日 1時) (レス) id: b8364d44bb (このIDを非表示/違反報告)
氷雨(プロフ) - 花さん» 小鳥ちゃんの愛称で呼んで頂けて嬉しいです…!ツンデレ小動物小鳥ちゃんこれからも宜しくお願いします! (2020年11月20日 22時) (レス) id: d7b92a39ba (このIDを非表示/違反報告)
氷雨(プロフ) - おはぎとだんごさん» 嬉しいです…(号泣) (2020年11月20日 22時) (レス) id: d7b92a39ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:氷雨 | 作成日時:2020年11月10日 13時