お金が3枚 ページ3
何か声がする。
聞き慣れた、心地いい音。
その音ともに、体が左右に揺れるような振動がする。そして、目を瞑っている筈なのに眩しい。
「瑞____?」
その言葉で何かわかった。
「ッあ....おはよう、
ごめんね、迎えにきてもらってるのに。」
重い体を起こしながら、目を擦る。
今まで見ていたものは全て夢。今、ではなく昔の事だ。俺と京介が初めて出会った頃の。
久々に思い出した。
「いーよ。待ってるから、早くご飯食べて行こう。」
「うん。すぐ支度するから向こうで待ってて。」
俺がそういうと京介は返事をして出て行った。
そして、俺は学校へ行くためにベットから出て着替え始めた。
今、俺は一人暮らしをしている。そのお金はどこから来るのか、それは京介から。申し訳ないとは思ってはいるが、孤児院も人が多くて部屋が無くなってしまった。
そのために、家がなくて困っていた俺に京介は手を差し伸べてくれた。
京介の隠れ家のような所で、部屋を掃除してくれれば住んでいいよ、と言ってくれた。だから俺はその言葉に甘え、住まわせて貰っている。
だが、さすがに部屋の掃除だけでは申し訳ないので、家賃も少ない額だが支払っている。
孤児院からも部屋がない代わりに少しだけお金をもらっているから。
そして、京介は毎朝俺を迎えにきてくれる。自分の家の大きな車ではなく、徒歩で。
1人で車で行けばいいのにと言えば、前に喧嘩になったので もう言うことはやめた。
京介と過ごす時間は楽しいから別にいいかな。なんて。
そして、毎日此処でご飯を食べてから京介は俺と一緒に登校する。
これも何で家で食べて来ないんだって聞いたら軽く拗ねられたので言うのをやめた。
昔はもっと可愛げがあったのに、今じゃすっかり無くなった。今じゃ破天荒。手がつけられない。
その分、俺は雰囲気が柔らかくなった。とか大人っぽくなったと言われることが多くなった。
もしかしたら、俺と京介の性格が入れ替わったのかもしれない。
そんな事を考えながら、着替え終わったので京介いるリビングへと行くために、ドアを開けた。
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shinata(プロフ) - しろくまイルカさん» そんな事があるとは。凄く嬉しいです!お褒めの言をありがとうございます! (2018年4月14日 19時) (レス) id: a03130cb88 (このIDを非表示/違反報告)
しろくまイルカ - 右の星を押す→既に投票済みでした。この作品で前にもこんな事が… (2018年4月14日 14時) (レス) id: c6819d9008 (このIDを非表示/違反報告)
shinata(プロフ) - 椎名さん» すみません!ありがとうございます。すぐに訂正させていただきました! (2018年3月16日 0時) (レス) id: a03130cb88 (このIDを非表示/違反報告)
椎名(プロフ) - あの、多分ですが、瑞くんが京介くんを起こしてるシーンで今日って記載されていたのでもしかしたら間違えたのかな?と思ってコメントしました。お話面白いです!頑張ってください (2018年3月15日 23時) (レス) id: e8fd36654c (このIDを非表示/違反報告)
shinata(プロフ) - ルーさんさん» ありがとうございます!頑張ります! (2018年3月14日 1時) (レス) id: a03130cb88 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:shinata | 作成日時:2018年3月5日 16時