14話 〜幻想夏〜『視線』 ページ18
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『着いたよ〜』
「おぉ!どれどれ…マンションだ!マンション暮らしだったんだ!」
『うん!じゃあ中へどうぞ』
「はーい!お邪魔しまーす」
友達の家に来るのって何か新鮮だなぁ…
思わずキョロキョロしてしまう。
機から見たら、これ完全に挙動不審な不審者だよね…
_______って、友達の家に遊びに来て何すれば良いのかな!?
途端に焦る。
『波音ちゃんどうしたの?部屋に行こっか!』
「え?あぁ、うん!そうね!」
…びっくりした。
虎さんの部屋は、入って左の付き辺りにあった。
あれ、右にも部屋がある。
もしかしてお兄さんの部屋かな?
そんな事を考えていると、虎さんに声をかけられた。
『入って良いよー!』
「あ、うん!」
虎さんの部屋へ足を踏み入れた。
男の子だから、多少部屋は散らかってるんだろうなーと思いつつ入った。
なのに。
凄く綺麗なのですが…!
なんでこんなに片付いてるの…!
え、本当なんで?!
私の部屋とか今頃、凄く散らかってる筈なんだけど…
この違いは一体何なのだろう。
あ、情けなくなってきた。
泣きたい。
『波音ちゃん何する?』
現実に引き戻される。
「あ、えぇっと…あ、じゃ、じゃあ!これ!これ何?」
『あ、これ?綿飴機だよ!』
「綿飴機?初めて見た…!」
初めて見る物に、思わずはしゃいでしまう。
横目で見ている虎さんも笑っている様だった。
綿飴を作る為に台所に行く。
そこで誰か人の気配がした。
最初は気のせいだと思っていた。
そう、信じていた。
_______虎さんと綿飴を作る時も、
_______虎さんと作った綿飴を食べている時も、
_______その後ピアノを一緒に弾いた時も、話していた時も、
誰かの視線を強く感じた。
良い視線では無かった気がした。
そして時たま、微かに呻き声が聞こえた。
_______遂に私は虎さんに聞いてしまった。
「…ねぇ虎さん。この家って、私達以外に誰か居る?」
その瞬間、虎さんが笑うのを止めた。
『あー…さっき言った通りお兄ちゃんがいるよ。どうしたの?』
何か、ある。
…隠してる。
「なんか気配を感じちゃって」
『そっか。気付いちゃったか。そりゃそうだよね』
「…気付くって?」
『あのね、波音ちゃんに言っときたい事があるんだけど…』
「うん。何?」
『僕のお兄ちゃん…___________なんだ』
「…え?」
それはとても信じがたい、言葉だった。
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あを助(プロフ) - 大変申し訳ございませんでした。イラストできましたので、お願いします!リクエストありがとうございました。 (2016年1月23日 21時) (レス) id: 96a75aff8d (このIDを非表示/違反報告)
優凪(プロフ) - こんばんは、絵出来ました!遅くなってごめんなさい;;http://uranai.nosv.org/img/user/data/d/7/2/d720ef6bfa2797356f5cd19773b2530f.png リクありがとうございました! (2016年1月5日 17時) (レス) id: 3903212ef2 (このIDを非表示/違反報告)
T - ありがとうございます! (2016年1月5日 7時) (レス) id: db0358049d (このIDを非表示/違反報告)
沙岼(プロフ) - 李未さん» 此方へのコメント失礼します。大変遅くなってしまいましたが、絵の方が完成致しましたのでご報告に参りました。此方です→http://uranai.nosv.org/u.php/novel/8a5a99ee1f1/ 本当に遅くなってしまいすいません( ;´Д`) (2016年1月4日 18時) (レス) id: e0d89f30bb (このIDを非表示/違反報告)
李未 - Tさん» えっと、スクロール式であればcssに詳しいカモミールさんという方にお聞きすれば早いです!私はよく知らないので… (2016年1月4日 9時) (レス) id: fce6e9a4c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:李未 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/sinanaisyouzyo/
作成日時:2015年8月20日 16時