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あれ？こんな御幸って素直だったっけ？
と思うくらいだったけど本人には内緒にしておこう。
嬉しいことには変わりないし。
「じゃあな、気をつけろよ」
『うん、傘ありがとね』
雨足が強かったのも落ち着き、御幸と分かれて自宅へと帰った。
その後、寮へ戻った御幸が監督やチームメートにキツイお叱りを受けることはわかっていたけれど、申し訳なかったと罪悪感を抱いたり。
＊＊＊
※以下御幸side
「で、なんで遅かったんだよ、忘れ物であんな遅くなるわけねーだろ」
「ちょっと色々話し込んでてな」
「…もしや、あいつに告白でもされたか？」
「は！？」
「ヒャハハ、図星かよ」
部活へ戻るのが遅かった俺は、案の定、監督や礼ちゃん、チームメート達に散々怒られた。
遅れた理由は、告白してたなんて言えるわけない。
とりあえず適当に誤魔化してたけど。
倉持のやつなんで気づいたんだ。
言い訳しても、アイツだけ、納得してなさそうな様子だったし。
「もしかして、お前見てたのかよ」
「…ま、そんなとこだな」
「性格悪いぞ」
「お前に言われたかねぇよ」
どうやら告白の様子を見られていたらしい。
連れて来るように倉持が選ばれ、俺を探していたらしいが、まさかタイミングよくそんな時に遭遇するなんてな。
「…お前はいいのかよ」
「なんのことだよ」
「苗字のこと、好きだったんだろ」
「は？んなわけねーだろアホ」
「そうかよ…」
倉持のやつ、嘘ついてるな…顔見ればわかる。
だって今までだってそうだった。
俺とアイツが話してると、どこか寂しそうな、そんな感じに見えたし。
正直、アイツは倉持のことが好きなんだと勘違いしてた時期もあった。
だから、少し距離を置こうとしたけど、苗字の事を好きな気持ちは変わらなくて。
だから、お前がアイツのこと好きだったとしても譲る気なんてないけどな。俺だってお前に負けないくらい大事に思ってるんだから。
そして俺はアイツの恋人になったんだ。
だからもう、後悔するんじゃねーよ、倉持。
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作者名：ぐみ | 作成日時：2020年4月3日 6時
