素直なきもち【ダイヤのA】 (ページ6)

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『あれ、雨降ってる…』

下校しようとしたら、突然の雨。

今日雨降るなんて予報あったっけな。

ついさっきまでカラッと晴れていたのに。

雨が降ると何だか気分までどんよりしてしまう。

折りたたみ傘は常時所持しているから雨宿りは回避できるけど、それにしても、雨足が強い。

『とりあえず弱まるまで少し待とう…』

＊＊＊

と、何分か待ったけど、全く弱まる気配はなく。強行突破で行くしかないと動こうとしたとき。

「あれ、まだのかよ」

『！？』

声をかけてくれたのは御幸だった。
あれ先に部活行ってるはずじゃ。

「こんな土砂降りだから職員室から傘借りてきたんだよ」

『なるほど』

「もしかして、傘ないとか？」

『……いや折りたたみ傘あるよ』

我ながら、やかしたな、と思った。

もし折りたたみ傘がなかったら御幸と相合傘できたかもしれないとか。

なんでこういう時に律儀かなー自分。

「こんな中、折りたたみ傘じゃ、ほぼほぼ濡れるんじゃね？」

『無いよりかはマシかと』

「そうだけどよ…途中までだけど、一緒に入ってくか？」

『え』

「いや別に、苗字が嫌だったらいいんだけど」

まさかの展開で、体温が急上昇する。

御幸も何だか少し照れているように見える。

その様子に期待してもいいのでしょうか。

そしてまたとないチャンス。

逃すわけにはいかない。

『ではお言葉に甘えてみようかな』

「お、おう」

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