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※倉持side
それから御幸は、放課後に勉強を教えてもらっていることを話した。
「めっちゃ、教えるの上手いし、わかりやすいんだよなー」
「へいへい」
「んだよー、倉持も教えてもらえばいいだろ？」
「別に俺はいい」
今までやんちゃしてたせいで成績は、赤点は免れるものの、学力は自信がないから、正直教えてもらいたいと思ったし、御幸が羨ましいなと思う。
でも素直に一緒にと、言えないのが自分だ。
「強がっちゃってー」
「俺は他人に頼らずに自力でやるっつーの」
「ふーん、ま、頼りたいときはいつでも声かけろよ」
「お前が言うなよ」
＊＊＊
そして翌日、苗字に声をかけられた。
『倉持』
「？」
『御幸から聞いたんだけどさ、勉強困ってるんだって？』
あの野郎、言いふらしやがったな
「いや、俺は別に」
『でも勉強も両立させないとなんてなかなか大変だと思うけどなー』
「それも含めてだろ」
『ほんと偉いね、倉持』
「！！」
ビックリした、褒められると思ってなかった。
今まで、褒められることなんてなかなかなかったのに…。
『困ったときは、いつでも声かけてよ、御幸なんかしょっちゅうだし』
「おう」
「なーに話してんだよ」
2人で話していると席を外していた御幸が来た。
『御幸！』
「お前、苗字に言いやがったな」
「えー、いいじゃん、親切だろ？俺！」
「お節介なんだよ！」
『え、ダメだった…？』
御幸に教えているのに、さらに俺なんかを相手してもらうのには悪いと思い、断っていたが、御幸に対しての強気な口調が、苗字にとっては、傷ついたようで。
「わ、ワリィ、気持ちはありがてぇんだけど…俺のこと怖くねーの」
「確かにー、お前元ヤンだしなー」
「テメェに聞いてねーよ」
「いたたたた…やめてよ倉持クン…」
苗字に聞いているのに何故か御幸が応えていて、ついムカっとして関節技を決める
『私は、怖くないよ』
「え」
『そりゃ、第一印象は怖いなーとは思ったけど、こうやって話してみたり、御幸からも倉持のこと聞いてるから、今は全然そんなことないよ』
「…っ」
「お、倉持、顔真っ赤じゃん！」
「うっうるせー！」
このことをきっかけ？に、俺も苗字とよく話すようになった。
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作者名：ぐみ | 作成日時：2020年4月3日 6時
