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※倉持side
「で、お前は何で俺なんかと、こんなとこ来てんだよ、御幸はどうした」
『御幸にはきちんと伝えてあるから大丈夫!!!』
放課後、奇跡的に部活は急遽休みになった。
久しぶりにオフだし、気晴らしに今日は、自主練はやめて、どこか遊びに行こうと考えていたら、苗字に呼び止められて。
何でか知らねーが、今2人きりで近くの小洒落たカフェに来ている。
どうやら2人きりじゃないといけない話があるらしいが。
御幸と付き合ってんだよな?
御幸には内緒で俺には話せることってなんだ?付き合って早々に喧嘩か?
『…ってなんで御幸?』
「なんでってお前ら付き合ってんだろ?」
『えっ!?えっ〜!?何で知ってやがるんですか倉持さん!!!』
「おいおい、口調がわけわからんことになってんぞ」
どうやらこの様子だと、付き合ったことを報告したかったみたいだな。
でも残念ながら、俺はすぐ聞いちまったもんな。
その場にいたことは伏せておこう。
『顔に出てた?』
「んなもん、雰囲気見ればわかるだろ」
『流石倉持さん!!!持つべき友は倉持さんっすね!!!』
「おい、さっきから気持ち悪いから、その口調?やめてくれ。煽てても何もでねーぞ」
『いやいや、そんなつもりはないよ!
ただ感謝の意味を込めて…倉持が話聞いてくれなかったら、気持ち伝えられなかったと思うし』
「そんなわけねーだろ、気持ち伝えるのはお前自身なんだし、俺がどうとか言ったところで関係ねぇだろ」
『でも私は倉持に感謝してるの!』
苗字が御幸のことが好きだとわかってからは、よく相談されていて、どうしたらいいかとか、どうとか。
正直俺に聞かれてもよくわからねーけど、よく一緒にいるからわかるでしょ?とか、異性に聞かないとわからないこともあるから、と苗字に言われるがままだった。
大したことはしてないのに、感謝の言葉がとまらない。
そこまで言わなくてもいいと、伝えてもどうやら気持ちを譲る気はないらしい。
まあ感謝されて悪い気持ちにはならない、むしろ嬉しいし、素直に受け止めておくか。
本人はこんなに嬉しそうにしてんだからな。
「で、話はそれだけか?」
『あと、もう少し話したいんだけど』
あ、ここからが本題みたいだ。少しコイツの様子が変わった。
『倉持さ、私何かした?』
「あ?別に何も?」
『嘘だ。最近冷たい』
「…そうか?」
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作者名:ぐみ | 作成日時:2020年4月3日 6時