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「ヒャハハ！そんな間抜けな声が出てくるとは…！！」
『…っ…だっだって突然言いはじめるんだもの』
「動揺しすぎだっての」
『倉持の意地悪！！！』
類は友を呼ぶのだろうか。
倉持の正確の悪さも御幸ほどとはいかないが、なかなかの悪さで。人の気持ちをなんだと思ってるのやら。
と思いつつ、良き相談相手でもあるわけで。
「今日もアイツ、告白されたんだってな」
『うん…』
「アイツのどこがいいんだかな」
『ほんとにね』
「それ、お前が言う？」
『それな、何で好きになっちゃったんだろ…よりによって御幸だなんて』
「苗字も、うじうじしてると、そのうち他の女子に御幸取られちまうぞ」
『…わかってるよそれくらい…でも』
「まあ、無理はすんなよ、かといって後悔するようなことになっても責任とれねーからな」
あとは自分次第、俺が出来ることは、背中を押すことぐらいだから、と倉持は言う。
ほんと、なんていいヤツなんだろうと、度々思う。
御幸じゃなくて倉持を好きになれたらよかったのになって、冗談まじりに話したら、少し慌てたように見えたのは気のせいだろうか。
『じゃ、倉持も部活頑張って』
「おうよ」
そして倉持は、最後に一言だけ
「もし、フラれたときは、俺が苗字のこともらってやってもいいけどな」
なんて私に言い残して部活へ向かった。
『………ほんと何様なんだ、あいつ』
その一言に私は深く考えずいた。
また倉持の冗談なんだろうと。
野球に夢中なアイツが私のことを好きだなんてあるはずなんてないから。
御幸も野球が一番だ。
もし付き合ったとしても、彼は野球のことを一番に優先するに違いない。
それに私は耐えきれるのかな、まずその前に私を異性として見てもらえてるのか。
＊＊＊
「………」
『……御幸？何か顔についてる？』
翌日の放課後、考え事をしていたら、ふと視線が気になり、顔を上げれば、御幸がジーッと私を見つめていた。
何なんだ、そんなに見つめないでよ、ドキドキとうるさい心臓の音が御幸にも聞こえてしまいそうで。
「…苗字って案外美人なんだなって」
『え、急にどうしたの』
そんなこと言われたら期待してしまう。
『しかも案外って、それって褒めてるのか貶してんのかわけわかんないじゃん』
「一応褒めてるつもりだって」
『御幸が褒めるだなんて、何かあったの』
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作者名：ぐみ | 作成日時：2020年4月3日 6時
