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あなたを好きになったのはいつからだったか。気がつけば、あなたの行動を目で追っていた。
目があえば、どきりとする。
他愛のない会話もなんだか嬉しくて。
これが恋なんだと実感した。
「じゃ、また明日な」
『うん、部活頑張って』
今日も彼を見送る。
彼の名前は、御幸一也。
私のクラスメイトで青道高校野球部キャプテン。そして私の好きな人。
そんな彼は、正確には難ありながらも、ビジュアルはよく、俗に言うイケメンに当てはまり、つまり、モテるわけです。
ちなみに今日も女子に告白されてたっけな。
みんなそんな勇気どこからくるのやら。
私にもその気持ちをわけてほしい。
かといって、今の関係が崩れるのは嫌だ、御幸と話せなくなるなんて…だったら告白なんてせずに現状維持でいい。
気持ちをそっと隠していけばいい。
『さてと、私も戸締りして帰ろうかな』
クラス委員の私は放課後、教室で、御幸にこっそり勉強を教えている。
やっぱり野球部の練習疲れでなかなか授業に集中することができないみたいで。それを復習がてら、私が見ることになった。
たまたま席が近かったのもあるのかも。
勉強を教えていく内に色んな彼の気持ちや表情を知って。いつのまにか好きになっていた。
「お、まだ開いてた」
『あれ倉持、これから部活なのでは?』
「ちょっと忘れ物しちまって」
『そうなんだ、まだ戸締りする前でよかったよ』
「ヒャッハ、セーフセーフ!!!」
戸締りをしようとした時、後ろからとあるクラスメイトの声。
御幸と同じ野球部の倉持洋一だ。
失礼ではあるかもしれないけど、御幸の数少ない友達の1人だ。私は御幸にとって友達であるかどうかはわからないが。
どうやら彼は教室に忘れ物をとりに来たみたいだ。
『忘れ物はもうないね?』
「おう!ありがとな!助かったぜ!」
『これからは気をつけなよ』
「わかってるって」
倉持と少し会話をしながら、鍵を預けに職員室へ向かう。
そして、倉持からは御幸の話題が。
「で、苗字はいつ御幸に告白すんだよ」
『へっ!?』
突然の発言につい、我ながら間抜けな声が出てしまった。
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作者名:ぐみ | 作成日時:2020年4月3日 6時