鬼だけど鬼じゃない俺。[鬼滅の刃]

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冨岡Side


「……君は、鬼殺隊士？」



……誰だ、こいつは。


この声と顔は、確かにAだ。


だが、瞳と喋り方が全く違う。


……雰囲気が、鬼になった。






俺は、Aの藤色の瞳をじっと見つめた。



「……ふふ。


そんなに睨まないでくれ。

鬼殺隊に良い思い出はないんだから。」



冨「……お前はだれだ。」







「ふふ。率直だねぇ。」

Aはゆっくりと俺を見つめ、その後ふんわりと微笑んだ。



「…私は、Aの父。









………“ 莚(ﾑｼﾛ ”という。」





冨「……Aの父親は死んだ筈だ。」







「あぁ。そっから説明が必要かぁ。



…少し面倒臭いな。」





Aは顎に手を添えて、またニッコリと微笑んだ。






「…私はね。


殺されたんだよ。君たち、鬼殺隊にね。」




冨「………そうか。」







「徐に変な顔するねぇ。



………今Aの体を乗っ取っているわけだけど、長く体を乗っ取るとAに命の危機が生じてしまう………。


それだけは私だけじゃなく、君だって避けたいことだろう？



冨岡くん？」








何故名を知っているのか聞きたかったが、急に雰囲気が変わって言えなくなった。







「…手早く済ませよう。







“ ___________のところへ行け ”」









Aの父はそのままゆっくりと目を閉じると、ふらりと後ろに倒れた。







冨「…………阿呆か。」









俺は意識を失ったままのAを担ぐと、そのまま屋敷へ走った。

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