嫌い４ ページ6
ラグーンside
その日は、図書室で過ごした。
夜になったら、外で寝た。
携帯のあの3人からのメールを見たくなくて、携帯は電源を入れないままにした。
外は寒くて、途中で雨が降ったから体は暑いのか寒いのかよく分からない迄に衰弱していた。
でも今日は授業があるから。
そう思って、そのまま重たい足を動かして教室に向かう。
あの3人に見つかりたくないから、魔法で隠れて移動した。
風邪は治癒魔法でいけるかと思ったが、何回やっても失敗した。
教室の1番扉から遠い、外から見えにくい位置に腰を下ろす。
すると、遠くの方からラギーがやってきた。
ラギー｢…今日珍しく遅いんスね｣
まぁねと言いながら魔法を解くと、ラギーはぎょっとした顔で俺を見た。
ラギー｢あんた…昨日何してたんスか？
制服びちょびちょじゃないスか！眼鏡も水滴だらけだし髪も濡れてるし！
てかあっつ！熱あるし！｣
ぎゃー！と騒ぐラギーはいつもと変わらなくて、少し笑みが零れる。
ラギー｢とりあえず保健室に連れてって、あの3人を呼んで…｣
｢いい。｣
ラギー｢いいって……？｣
キョトンと不思議そうな顔でこっちを見るラギーに、俺は机に突っ伏してやめてくれと小さい声でお願いした。
｢あいつらには、余計な心配かけたくない｣
ラギー｢余計って…！｣
｢あと…俺が今、会いたくない｣
そう呟くと、ラギーはガシガシと頭をかいてはぁとため息をついた。
ラギー｢…分かったっスよ。
どうせあんたのことだから、保健室にも行きたくなさそうっスね｣
どこか諦めたように隣に腰掛けるラギーに、俺は良い友人をもったなと思った。
でもラギー。
君も監督生さんのことが好きだもんね。
俺もラギーの立場だったら、きっと好きになってた。
この学園には、逆に監督生さんのことが嫌いな人の方が少ない。
ごく少数だ。
だから今、気付いてしまったんだ。
この自分の悩みが、誰にも言えないことに。
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作者名：せんら | 作成日時：2020年9月12日 9時
