嫌い２ ページ4
_｢…ラグーン？｣
｢…ん？｣
モストロラウンジのVIPルームで、一人の男がソファーに腰かけ大きな欠伸をした。
アズール｢なにかありましたか？｣
アズールは心配そうにそう問うが、ラグーンは首を傾げて｢なんも｣というだけで、一向に答える気は無いようだ。
アズールがもう一度口を開きかけたとき、どーん！という声と共にラグーンの体に衝撃が走った。
フロイド｢ラグーンがこんなに早起きなのめずらしいじゃ〜ん。
……なにかあったの？｣
先程まで楽しそうに声を出してラグーンの首元に抱きついていたのに、フロイドは急にスンっと真顔になってラグーンに言う。
｢……なんで2人して…｣
ラグーンはどこか困った表情で、そう呟く。
_｢それは…貴方がなにか悩んでいる時に眼鏡を忘れる癖があるからですよ。
どうぞ、眼鏡です｣
｢ジェイド…急に後ろから出てくんなよ…｣
呆れ半分驚き半分といった表情で眼鏡を受け取るラグーンに、ジェイドはそれで…と話を続ける。
ジェイド｢貴方は何を悩んでいるんです？｣
｢……別に…｣
スンっと言葉を濁すラグーンに、ジェイドはラグーンと目を合わせて顎に手を添えた。
ジェイド｢……やはりやめましょうか。
貴方にはどうしても使いたくないようだ。｣
フゥと息を吐くジェイドに、フロイドが今度は肩に顎を乗せる。
フロイド｢ラグーンにユニーク魔法使うとか信じらんねぇ…。
もう少しでジェイド殴るとこだった｣
こんなところで喧嘩すんなよとラグーンは呟くが、なにか言いたいことがあるのか口を開いた。
アズール｢…どうしました？｣
｢お前らは…監督生さん好き？｣
その問いに対し、3人は視線を合わせる。
アズール｢…いえ、救ってもらったという恩はありますが…特には｣
フロイド｢俺小エビちゃんのこと好きだよぉ〜？
だっておもしれぇじゃん｣
ジェイド｢僕も別に…接点もありませんし｣
フロイド以外があまり好意をもっていないことを聞いて、ラグーンはそのままそっか…とだけ呟き、VIPルームを出ていった。
アズール｢あそこまで悩んでいるところを見るのは初めてですね…｣
フロイド｢なんで俺らに言わねぇんだろ…｣
ジェイド｢…どうやら、監督生さんが関わっているようですね…｣
あのラグーンをあそこまで怒らせるなんて…
ジェイドはそう呟いた。
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作者名：せんら | 作成日時：2020年9月12日 9時
