第六話 向かう先は。 ページ10
『……！貴方たちは……』
加州様がゆっくりと開いた襖の先には、
資料で見た新撰組の刀たちがいた。
左から、堀川様、和泉守様、それから長曽祢様。
皆様此方を見て静かに微笑んだ。
『……何の用でしょうか？
暗 殺とかでしたらお断り……』
「違うよ、主。
俺たちは暗 殺なんて考えてない。」
加州様の言葉に、首をかしげながら唸った。
『………暗 殺じゃないというと……
もしや、拷 問…？』
「違ぇよ！何でそうなるんだよ！」
和泉守様がドシドシと此方に近寄る。
『……急に何ですか……うわっ！？』
泉和守様に腕を引っ張られ、思わずよろける。
「……っと、大丈夫ですか？主。」
『…あ…る…？』
主と呼びながら、私の体を支えたのは此方を心配そうに見つめていた堀川様。
そして、目の前に長曽祢様が立つ。
「…そんなに不安がらなくても良い、主。
俺達は、ただ様子を窺っていただけだ。
皆、怖がって警戒していたわけではない。
少し、信用してついてきてくれないか？」
彼等の真剣な表情は、少し眩しいくらいに輝いていた。
やはり、彼等は頼もしいな。
『……分かりました、今行きます。
ところで、重症の刀はいらっしゃいますか？』
「……重症…ですか？
いませんけど……。」
不思議そうに此方を見つめる皆様を無視して、地面に手を置く。
目を瞑り、神経を手に集中させた。
本丸全体に私の霊力を流し傷を癒して、本丸までも綺麗にする。
目を少しだけ開くと、何故か体が言うことを聞かない。
『…………あ、れ？』
「「「「「！……主！！」」」」」
床に打ちそうだった頭を、皆様全員で支えてくれた。
「…………ちょっと主、
大丈夫？」
心配そうに此方を見つめる加州様に、大丈夫ですと静かに頷く。
『……袴の裾を踏んだだけです。』
「……何だ、もう。
心配したのに………主。』
安心しきった顔で体を起こしてくれる大和守様に、お礼を言って立った。
『これで、少しでも信頼してくれたでしょうか。』
「そーね。
先代の主と似ている、暖かい霊力だったよ？」
加州様の言葉に、何故か嬉しいと感じる。
『……有り難うございます。』
全く………。
直ぐに気恥ずかしいことを言う…。
心の中で冷静になりながら、静かに広間に向かった。
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裕斗(プロフ) - コメント有り難うございます！多分指摘されなかったらあのまんまでした。有り難うございます。バンバン指摘してもらっていいですよ！更新楽しみにしてください！頑張ります。 (2019年5月12日 8時) (
レス) id: aecdb871b7 (このIDを非表示/違反報告)
おこめ - 初コメ失礼します。先の展開が読めなくて面白いです！ただ、和泉守の漢字が泉和守になっていたので、そこだけ指摘させてください。これからも更新楽しみにしています。頑張って下さい！ (2019年5月12日 6時) (レス) id: a8d10a6215 (このIDを非表示/違反報告)
裕斗(プロフ) - 大学いもさん» あ…有り難うございます！！そんないい言葉をいってもらうのは初めてです。更新頑張ります。 (2019年5月5日 10時) (レス) id: aecdb871b7 (このIDを非表示/違反報告)
大学いも - いい話ですね！続きが気になります。ゆっくりでいいので更新頑張って下さい。 (2019年5月5日 9時) (レス) id: c672c5d881 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：祐斗 | 作成日時：2019年4月26日 18時
