第十三話 助かるためなら何だって。 ページ17
薬研Side
これにて、本丸は一見落着する筈だった。
「薬研様！薬研様は何処ですか！」
「？俺っちなら此処だが…？」
「琴様が倒れました。
直に治療をお願いします。」
「何だって！？大将は？」
「！此方です。」
兄弟たちは皆心配そうに此方を見ていたが、気にせず走る。
手入れ部屋へ入ると、むせ変えるような血の香りと
息が荒く、顔が白い大将。
そして、大将の手をとって泣く加州の旦那。
どういう状況かは分からないが、大将が誰かを庇ったんだろう。
………全く、無理はして欲しくなかった。
傷を見ると、頭部に痣が２つ。
頬に痣が１つ。
首は捻っており、赤く腫れていた。
ただその他は全てかすり傷。
右胸は出血が酷く、傷も塞がっていなかった。
これは流石に輸血しないと無理だ………。
「…なあ、あんたは大将の血液型とか分かるか？」
隣で真剣な表情で様子を見ていた男に、声をかける。
「………そう、ですね。
琴様は自分と同じO型です！」
「……血液型が一緒。
すまんが、大将に輸血して貰っていいか？
緊急事態なんだ！宜しく頼む。」
思いっきり頭を下げる。
はっきり言って、これは致命傷と言っても過言ではない。
だが、今なら助かる。
助けられる。
俺は、大将の本丸で暮らしたい。
大将は、俺らの本丸の救世主なんだ。
「良いですよ。」
「………ほ、本当か！？」
「ただ、琴様が目を冷ました後……。
話があります。良いですか？」
前の男に静かに向き合い、うなずいた。
「俺は大将が助かるなら、なんだってする。」
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裕斗(プロフ) - コメント有り難うございます！多分指摘されなかったらあのまんまでした。有り難うございます。バンバン指摘してもらっていいですよ！更新楽しみにしてください！頑張ります。 (2019年5月12日 8時) (
レス) id: aecdb871b7 (このIDを非表示/違反報告)
おこめ - 初コメ失礼します。先の展開が読めなくて面白いです！ただ、和泉守の漢字が泉和守になっていたので、そこだけ指摘させてください。これからも更新楽しみにしています。頑張って下さい！ (2019年5月12日 6時) (レス) id: a8d10a6215 (このIDを非表示/違反報告)
裕斗(プロフ) - 大学いもさん» あ…有り難うございます！！そんないい言葉をいってもらうのは初めてです。更新頑張ります。 (2019年5月5日 10時) (レス) id: aecdb871b7 (このIDを非表示/違反報告)
大学いも - いい話ですね！続きが気になります。ゆっくりでいいので更新頑張って下さい。 (2019年5月5日 9時) (レス) id: c672c5d881 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：祐斗 | 作成日時：2019年4月26日 18時
