Will get married.【梶裕貴】

気まずい関係 ページ10

お正月ムードもすっかり過ぎ去り、いつも通りの日常が戻ってしばらくが経った。


「(白菜と豚肉と…あとなんだろ)」


例年に増して暖かいとはいえ、冬は冬だ。
寒いものは寒い。


鍋でも食べないとやってらんないよね



「…お？

…はーい、もしもし？」

『あ、出た。もしもし？今大丈夫？』

「ん、大丈夫だよ？」

突然の電話は梶くんからだった。


『俺さー、今日ちょっと遅くなるから…』

「え、ご飯は？」

『んー、食べてくるかどうかまだ決めてないけど…』

「えー…鍋パしようと思ったのになぁ」

『ごめん！なるべく早く帰るから！』

「1人で鍋パするかぁー」




『…怒ってる？』

「かもね」


『えぇ！？ちょ、ほんとごめんね？』

「嘘だよ。」

『ちょっと！！？』

「ごめんごめん、鍋は明日にしよ？」

『明日は大丈夫だから！』

「ん、わかった。あんまり遅くならないでね？」

『うん、分かった。じゃあね』




なんだ…つまんないの。


ちょっとがっかりしていると後ろから名前を呼ばれた。

「……A…？」

「え？…あっ！？」



一瞬誰だか分からなかった。

けど、よく見てた顔だ。


あれから、かなり時間も経ったけど

気まずい関係なのは変わらない。




「……お兄ちゃん…」

それで十分だよ。→←どうでもよかったんだよ。

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