Will get married.【梶裕貴】

繋がなかったの？ ページ20

「大丈夫！？」

「え、あ、いや…」

「ほら！シートベルトして！」

「いや、だから梶く…」

「ほんとに、いつも知らない人にほいほいついてっちゃダメだって言ってるでしょ！？
俺が来なかったらどうするつもりだったの！」

「か、梶くん！」

「なっ、なに！？」






「あれ、先輩」


「…は？」

「去年卒業した私の先輩だよ」

「え、ナンパしてきた人じゃないの…？」

「違うよ！」

「え、ちょ、どうしよ！」

動揺したのか、道の端に一度車を寄せて運転を止めた。

「なんだと思ったの！？」

「て、てっきりAちゃんが知らない人に腕掴まれて連れてかれる寸前かと…」

「あんな学校の前で！？あはははっ」

「え、怒んないの…？」

「が、学校の前で、堂々と……ぷっ」


「…うーわーー…何だよー

俺超カッコ悪いじゃん…」

うな垂れるようにハンドルにおでこを付けて落ち込んでる。




「カッコ悪くないよ。

あれがもし本当のナンパだったら超カッコいいよ？」

「でも今は本当のナンパじゃないからカッコ悪いって事じゃん!!」

「そんなこといってないじゃん！」




「…いや、カッコ悪いとか悪くないとか以前の問題だよね

せっかく先輩と会えたのに邪魔して本当にごめん」


ハンドルから顔を上げたものの、俯いたままだ。


「ううん、いいよ。
実際、あの時ちょっと困ってたからむしろ助かった。」

「え？」


「あ、いや…先輩がちょっとどっか行こうかって誘ってくれて、

それでちょっと手繋ごうよって言われて手掴まれて困ってて…」








「…なんで、手繋がなかったの…？」


「え…？」


「別に俺が見てるわけじゃなかったのに、なんで手繋がなかったの？」




どういうこと…？

聞きたかったんだよ→←私が手を繋いでいいのは

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