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私が手を繋いでいいのは ページ19

「…ほんと、すみませんでした」

「いいよいいよ、まだ収録始まってなかったわけだし」


収録には間に合ったものの、今日の収録分の打ち合わせには遅れてしまった。

「ほんと…今後はこんなことのないようにします」

「そんな、落ち込まないでよ〜」

スタッフさんも、他の声優さんもみんないいよって言ってくれて優しいけど


私はよくない。


「…お疲れ様でした」







「…はぁ」

次の現場についてもさっきの失敗が脳内を占領している。

収録始まったら切り替えるつもりだけど…


なんかもう、高田先輩に会うのも疲れちゃったなぁ

いや、先輩悪くないんだけども…


結局、収録が始まるまでずっと沈んでいた。
.


.




.



「…あれ」

収録をすべて終え、先輩と約束した学校の前に時間通り来た。


けど、先輩はいない。


「A!!」

「あ、先輩」

「わりぃ、遅れた」

「いいですよ、私も今来たところだし」

「どうする?どこ行く?」


「普通に駅前あたりでいいんじゃないですか?」

「そうか?なら、それでいいけど、

俺のおごりな」

「え、いいんですか?遠慮しませんよ?」

「ははっ、俺そーゆー女の子好きだよ。

ほら」


そう言って手を出した。

「え?」


「俺がエスコートするけど?」

手繋ぐの!?

「い、いや、手を繋ぐのは…ちょっと」


「えー、恥ずかしがんなくても良くね?」


そう言って私の右手をつかんだ。


「いや!ダメですって!!」

力めっちゃ強くない!?

「なんでそんな顔真っ赤にしてんの?そんな恥ずかしい?」


力んで力入れてるから顔赤くなってるだけだし!何言ってんだ!


私が手を繋いでいいのは梶くんだけじゃないの…!?


手を離すのに手こずっていると、
後ろでバンッという車のドアを閉める音がした。


「せ、先輩!離し…

…え?」


「嫌がってるんだからやめてくれませんか!?
人の彼女に手出さないでください!

ほら!行くよ!」


「えぇっ、わ、ち、ちょっと!




梶くん!!」



私を引っ張って車に連れ込んだのは

梶くんだった。

繋がなかったの?→←あのあとから。



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rinon(プロフ) - 1作目から読みました!読んでいてすごく面白かったしドキドキしました笑とても素敵な作品をありがとうございました! (2018年10月11日 21時) (レス) id: f99e4cad7a (このIDを非表示/違反報告)
梶くんLOVE - すっごく面白かったです!何度も読み直しちゃうくらいこの作品大好きです! (2018年9月17日 19時) (レス) id: 30bbe2ba04 (このIDを非表示/違反報告)
しおり(プロフ) - 1作目から三日かけて読みました!ものすごく内容が凝っていて、面白かったです! (2018年3月6日 2時) (レス) id: a8be3044ec (このIDを非表示/違反報告)
りょう - 1作目から読ませていただきましたっ!!!本当に楽しかったです! (2018年2月4日 11時) (レス) id: 967f86594e (このIDを非表示/違反報告)
霜架 - 2日で、読みきりました!とっても面白かったです!素敵な作品ありがとうございました! (2017年6月24日 11時) (レス) id: 6ed6169ed9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:simuko | 作成日時:2015年12月22日 21時

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