Will get married.【梶裕貴】

恥ずかしすぎて言えない。 ページ13

「へー、じゃあお兄さんとちゃんと話せたんだ」

「うん、彼女さんともヨリ戻したみたいだし。よかったよ」


お兄ちゃんに会った翌日、鍋を梶くんと2人で囲んでそんな話をしていた。

「あれ？…梶くん肉団子いくつ食べた？」

鍋を器に取ろうと菜箸を持った時に肉団子の数がやけに少ないのに気づいた。

「え？5個」

「ちょっと！！私食べる前に肉団子6個しか入れてないからって言ったじゃん！」

「えー、そうだっけー？」

「もー…」

「ごめんごめん、お詫びに5回キスする？」

「……」

「えー、そんなに怒る？」

「怒ってないし」



なんて言ったけど、どう見ても怒ってるよね私

ちょっと苛立ってブスッとして菜箸をとろうとすると

鍋に手を伸ばした手を掴まれてキスをされた。



しかも、ちゃんと律儀に5回。



「…っな…何して…」

「5回するって言ったでしょ？」

「…もう」

「ブスッとしてるより、ちょっと照れてる顔の方が可愛いよ？

まあふてくされてても可愛いけどさ。

まだ許してくれない…？」


「…別に、最初っから許してたし」


本当は最初、肉団子好きの私から５つも肉団子を奪った罪は重いなんて思ってた。


それが、キスされてドキドキしちゃってどうでもよくなっちゃったなんて


恥ずかしすぎて言えない。

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