第四十九話 恐ろしきショタ。 ページ9
お腹が空いては、戦は出来ぬ……。
まさにそれ。
お腹が減りすぎて、明日の内番の編成ができない。
長谷部様も、心配して私を見ている。
「…主、大丈夫ですか?」
『………はは、大丈夫です。
長谷部くんも食べてきたら如何でしょう。』
「ですが………ですが!
主を置いて食事をするのは、自分には無理ですッ!!」
『………いや、食べてきてください。
主命だと思って、ね?』
この人は気難しく考え過ぎる。
なので、気を抜けるよう頭を撫でた。
「……ぅあ、主が……俺の頭を………!
主命とあらばぁああああぁ!!!」
目をキラキラさせながら走っていく長谷部様を見送る。
あの人、見ていて飽きないなぁ。
その数秒後、コンコンとノックの音がした。
何時もは「おむすびは食堂に置いておくから自由に食べてね!」だったのに……。
なにか不都合でもあったのだろうか。
『………どうぞ。』
「よっ、主。昼飯を持ってきたぞ。」
『……え!!?私おむすびだと……』
「あぁ。鶴丸の旦那がぜひ食って欲しいだとさ。」
『…………で、その本人は?』
「あぁ、用事だ。
(抜け駆けしようとしてたから、後頭部殴って気絶させたとか言えねぇ。)」
ニコニコと笑う彼の手には、ヨダレが出そうな程美味しそうな匂いを放つ昼食が。
『では、薬研様も一緒に頂きましょうか。』
「…………良いのか?」
『え、はい。
薬研様さえ良ければ、是非。』
薬研様は紫色の瞳を煌めかせると、「今すぐ取ってくる」と早足で出ていった。
とりあえず、鶴丸(気絶中)に感謝かな。
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酢蓮 - 面白いですね。これからも頑張ってください!! (2019年11月16日 16時) (レス) id: 1628010482 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:祐斗&せんら x他1人 | 作成日時:2019年7月7日 17時