Mr.simple〜君はそのままがいい〜8

望み―Eunhyuk side― ページ11

好きな人を、とっておきの場所に連れてきて、

好きな人に、とっておきの瞬間を見せて、

好きな人の、とっておきの瞬間を見る。


沢山イルミネーションの光が微かに届いて、

綺麗な彼女の顔を、より美しく映し出した。


見とれて思わず、

綺麗だと、言ってしまった。


そして、そんな俺に気づいてこちらを見たAの顔が、

もう……////

俺は抑えきれずに、気持ちを伝えた。


しかし、
彼女の瞳は、それを言わないでと
言っているかように潤んでいた。


言った後に気がついたAの気持ち。

誰が好きだからとかじゃない。


Aが、どんな気持ちで俺たちの所へ来たのか。

いつも、どれだけ俺たちや特にファンを大事に想っているのか。


でも、もう遅かった。


ごめん。


自分勝手で、ごめん。


伝えたいから伝えるじゃ、ダメだよね。


もっとお前の気持ち、考えるべきだった。


……ｷｭﾋｮﾝの方が、俺よりAを分かり、考えてるみたいだ。


悔しいけど。


俺には勝ち目はもう無いのではと、

何気にｷｭﾋｮﾝのことを聞いてみた。


そしたら、俺と同じように家族にしか見えないと言った。


嬉しかった。


まだ望みはあるんだ、と。


分かったから。


なら、
待つけど、
もう譲らないし、絶対離さない。


俺は彼女に、いや。

彼女を好きな奴らに宣戦布告するかの如く、

彼女にキスをした。


悪いけど、先手はもらったよ？

そして、アイスを食べて宿舎に戻った。

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