【ＢＬ】壊れた人形 (ページ2)

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僕の名前はドール。

主人に名付けられたんだ、いい名前でしょ？

普段の主人は……良い人なんだ。普段はね。

でもね。僕の主人は夜になると僕にある言葉をかけるんだ。
その言葉を掛けられると、僕は人形になるの。

それが僕は怖い。

だから主人を怒らせないようにしなくちゃいけないの。

「おい、ドール。郵便受けに入っている手紙が入っているか見て来い」

狭く静かな空間に圧がある声が響く。
狂犬のような主人が命じたように郵便受けを覗く。

そこには新聞以外に、一枚の手紙。
普通の紙より分厚い紙のようなものが入っている。多分、よく主人が持っている招待状。

僕にとっては招待状＝怖いこと。

その手紙を握り締める、手の中で丸めた。
手の中の手紙を見るとくしゃくしゃになっていた。

その紙を近くのゴミ箱に捨て、家の中に入る。

恐怖と喜びが交じり、頭がパンクしそう。

部屋に入ると、
主人が珈琲を片手に椅子に座って、こちらを見ている。

「手紙はあったか？」

僕は首を横に振り、恐る恐る郵便受けに入っていた新聞を渡した。

そうすると主人は何処かに電話し始めた。おかしい。

いつもは珈琲を片手に新聞を読んでから、電話を始めるのに。

「ああ、すぐに頼む」

その声を後に僕は記憶がない。