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家に入ってすぐ、黒毛の上品な猫が出迎えてくれた。
猫には赤い首輪を着けていて、その首輪には鈴がついている。
猫など愛玩動物はドールが売られてからはなかなか見かけなくなったと聞いたことがある。
なぜそんな愛玩動物がそこに居るのかと疑問に思い、猫を見つめる。
「こいつはクロだ、珍しいだろ」
猫を持ち上げ僕に見せるように、名前らしきものを教えてきた。多分日本語。
「クロ?……ですか?」
「ああ。触ってみるか?」
愛玩動物に触るのは初めてだ。
そもそも愛玩動物とは病気などを持っているから、人間のドールになった。
空気を察知したように主人の優が口を開いて「病気はない」と言った。
恐る恐る触ると、ふかふかの毛が手を包む。
愛玩動物とはこういうものなんだと感心していると、声を殺した笑い声が聞こえる。
「あ、ごめん。可愛らしくて……」
優は照れ臭そうにそう言った。
猫に対して言っているのかと思えば、僕の心を読んだように「君の事だよ」と言われた。
前の主人はそんなことを言ってくれなかったら嬉しいのと、この人は信用できそうな気がする。
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